aoba_joe
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肌寒い秋に暑苦しいMars Voltaはいかがでしょうか。06年作の3枚目です。
音が多くてやかましく、熱気にむせ返りますが、本作は曲の構成がハッキリしているので、Omarの呪術的なリフにハマると意外と聴きやすいです。
この曲はここまでやるかというくらいに全部乗せで畳み掛けてくる12分間で、ひたすら熱に浮かされているような異様な高揚感のまま最後まで突っ走ります。パーカッションソロが笑えるくらいにかっこいい。
Bruce BrubakerというピアニストによるEno作品集第二弾。今回はEPサイズ。
原作が生み出していた静寂をピアノでいかに表現するかという所に注力されていて、テンポや音の持続具合なんかはかなり原作準拠。それでいて曲の美しさがじんわり伝わってくるので、かなり好きです。最近寝る前はこればかり聴いてます。
言わずと知れた95年の名盤。中身だけでなくタイトルやジャケットも含め"JPOP名盤"として結実してる感があります。今やロストテクノロジーなのではと思うキラキラした音とあまりに透き通ったAkkoの歌声が眩しいです。
久々に通しで聴きましたが、冒頭のこの曲の"いい予感に満ちた雰囲気"が素晴らしかったです。歌詞も歌も少なく、徐々にアルバムの世界が開けていくオープニング。とても贅沢な時間です。
Tuxedoの新作。久々ですが活動が続いていてありがたい。
2ndをめちゃ聴いてた身からすると、本作はかなりシックで落ち着いた印象。ぶち上げたい気分が満たされない歯痒さも若干ありますが、洗練されたセクシーな音も結構良いですね。
まったりドライブしつつ藤井風のライブ盤を聴きました。敷居は低いし、クオリティはべらぼうに高く、演者も観客も皆楽しんでるのが音だけで伝わってきて素敵です。
どの曲も最高ですが、前半でバンド演奏をガッツリ聴かせてくれるこの曲が特にかっこいいですね。
Animal Collectiveの04年作。本作のライブ盤が出てたのは、20周年だからなんですね。
"Merriweather Post Pavilion"の頃に聴いて、よく分からん…となったのですが、久々に聴いて益々分からんと思い、むしろすっきりした気分です。
アコギを弾きながら歌う、という字面と本作での実演があまりにかけ離れていて落ち着かない。少しポップな瞬間を挟みつつも、すぐにどこかへ逃げてしまって掴み所がない。それでいて音への情熱らしきものが渦巻いて、耳を釘付ける強烈な磁場が形成されています。
胸を張って謎盤と言えます。
Devendra Banhartの16年作。私にとって初めてのDevendra体験が本作で、これが良すぎて他はほぼ聴けてません。
この1曲目から隔絶したホワホワした世界に飛ばされます。まるではじめから宇宙に自分しかいないような飄々とした孤独の音。たまに現れる東洋風の胡散臭いフレーズも虚空に消えていきます。
バッドトリップになりかねない音を、素面でも楽しめる塩梅に押し留めているところにポップセンスが光っているように感じます。
同年に出た王舟"Picture"も雰囲気的には少し似ています。
あがた森魚の新作。ジャケットの版画が印象的ですが、池田修三さんという版画家なんですね。ナイーブな内省が湛える静けさに惹き込まれます。
相変わらず伸び伸びと歌っているし、随所にラジカルさを残すごちゃごちゃしたサウンドも楽しい。夏休みの自由研究のような、想像力を削がない有り様に心打たれたり清々しさを感じたりします。
2010年あたりから毎年1枚以上リリースする鉄人っぷりで、半分くらいしか追えてないのですが、本作はかなり上位に来そうな充実作です。近年の作品だと"浦島64"かこれが良いかも。
ウルグアイの伝説的SSWことEduardo Mateoの最終作(89年作)が断片的ながら徐々に解禁されています。ジャケからしてイカしてますが、調子外れのテンションを何故かよく示している感じがします。
全貌を聴けるのを待つしかないんですが、Caetano Veloso "Estrangeiro"やXTC "Oranges and Lemons"といった同年のカラフルな傑作群と並べるに相応しい作品だと確信しています。
King Gizzardの来るニューアルバムはオーケストラとの共演盤とのこと。その先行シングルがめちゃカッコよくて腰抜かします。
ラフなロックだった前作とは打って変わって、管弦との絡みがスリリングになるように結構タイトなグルーヴ。ハードボイルドな趣きが渋い前半から、ソフトロックっぽさすらある中盤、そして性急かつ螺旋的に上り詰めていく後半、不思議なほどにオーケストラの音がマッチしています。
これを5分に纏め上げてくるところに次作への気合の入りっぷりを感じます。といってもまだ前作から3ヶ月しか経ってないし、今年のライブ盤も突然20枚以上リリースされるし、本当にどうなってるんだ…
畠山地平と石若駿による共演盤vol.2です。vol.1に続いてこちらも良いです。
ギターの轟音に対してドラムが疾走感を与えているのが新鮮で、石若駿の閃きが冴えまくっているのが分かる白熱のセッションです。
4曲のうち、バイオリンが加わる1曲目、ピアノとギターという組み合わせの4曲目も良いんですが、やはりギターとドラムのみの曲がテンション上がります。
アンビエントというか、シューゲイザーっぽくもあり、こういうリズムの自由度の高いシューゲイザーが出てきたら面白そうだとも思います。
めっちゃ良いのでもう一回投稿しておきます。
乾いているけど殺伐という程ではなく、ムーディではないけど何かを仄めかしている…という不思議な音が鳴っています。不気味ながらもユーモアが漂っているような気もします。
個人的にはFishmansの"新しい人"という曲が思い浮かびました。
先週の「レコードの日」で、モー娘。の"ザ☆ピース"の7インチを買ったんですが、それだけだと少し恥ずかしいので、一緒に本作のCDを買いました。
CDだとショボいお土産な感じが程よく胡散臭いです。前作の写真を使い回すセンス(やる気の無さ)も好きです。
シャムキャッツの15年作。サヌキナオヤさんのイラストが印象的なジャケですが、CDのブックレットにはこの曲のイメージイラストが小さく何枚も描かれていて、それも素敵でした。
彼らの曲で最も再生されているこの曲はやっぱ超名曲です。日常の何気ない一コマがゆっくりとエモーショナルになり、また日常に還っていくだけ。なのですが、細やかな描写が織りなす一連のストーリーテリングが素晴らしいです。この一コマを優しく包みながら牽引する演奏は最早天国的です。
この当時はSpotifyを始める前だったので、CDを買うことが音楽聴取だったと何故か思い出しました。
Laura Marlingの新作。前作は架空の娘に宛てた作品でしたが、本作では本当に娘が産まれた後に作られた曲が納められてます。我が家も子どもが産まれて間もないので、このアルバムの静かに慈愛の満ちた雰囲気がすごく馴染むし沁みます。
前作よりさらに落ち着いたアコースティックサウンド、子守唄のような優しい歌声、とにかく美しいメロディ…全曲最高です。冒頭のこの曲はコーラスが光のように降ってきて神々しい。
今年は柴田聡子、Adrianne Lenker、Laura Marlingという日米英の才女がアコースティックな傑作を揃って出したんで、本当に幸せな1年です。
Nusrat Fateh Ali Khanの90年録音の未発表音源がリリース。イスラム教神秘主義スーフィズムの儀礼音楽ことカッワーリーの歌い手…といってもこの人以外のカッワーリーを知りませんが、とにかく半端ないです。
チャカポコしたリズムとオルガンっぽい音のゆるやかなフレーズの反復による浮遊感が気持ちいい。そこに乗っかる声のユニゾンとNusratの天を突き抜けるような詠唱に撃たれたら最後、放心状態で最後まで聴いてしまいます。神がかってるとはこういうことかと思います。
King Crimsonの名盤"Red"のレコーディングセッション音源を編集、ミックスしたElemental Mixesなるものがリリース。つまり別音源です。傲岸不遜っぷりが高まったこのジャケが素晴らしいです。
どの曲も明らかにオリジナルと異なりますが、特に"Starless"が面白いです。まさかのサックス四重奏(?)な冒頭だけでなく、全編で管楽器マシマシで、後半の疾走感がかなりかっこいいです。パーカッションもマシマシなのが個人的には嬉しい。
同じ企画を"太陽と戦慄"でもやっていただきたいです。というか他アーティストの名盤もこれくらい弄くり回してみてほしいです。
先日Youtubeに上がっていたシナモロールのカバーが最高なので聴いてください。私は何故か泣きそうになりました。
https://youtu.be/qIjxbjl4KUg?si=dIa2wmdHGerasZ6N
黒岩あすかというSSWの新作。
女性ボーカルのサイケというとドリーミーで耽美的な傾向があると思ってますが、本作は夜闇にどんどんと沈み込んでいくダークな音作りなのが新鮮でした。バンド演奏がタイトなのがカッコいいです。
本人のウィスパーボイスは呼吸そのものを聴いてるかのようで、言葉少なくも聴き手を惹き込む力を感じます。
特別なことをやってる感じは全くないんですが、すごく良いです。
柴田聡子の新作きました。風呂でしか音楽を聴けない日々の中で待っていた数少ない希望でした。往年のSSW名盤っぽい格調を感じるジャケや良し。
"Your Favorite Things"の弾き語り+α盤です。元の雰囲気を残したアレンジや歌い方なので、全く違和感がありません。歌と空気の震えの生々しさが伝わる音なのが素晴らしく、没入感が半端ないです。ヘッドホンで聴いたら危険な気がします。
本当にいい曲ばかりの作品だと一層痛感したんですが、内省的な本作において"Synergy"とこの曲の軽やかさが清涼剤になっていて好きです。
深まる秋のお供に是非。
Dorine Murailleというフランス人の03年作。
先日投稿したsoraの"re.sort"についてググっていたら、本作にも言及しているブログを見つけたので、聴いてみました。生楽器の音や自然の音など様々なサンプルを慎ましくコラージュする作風は両者共通しています。
ただし、本作は聴きやすいフリをしつつ途端に聴き手を突き放す冷たさを孕んでいて、soraのような心地よさを周到に回避していると感じます。でも鳴っている音はそこそこポップという絶妙なせめぎ合いに静かなスリルがあります。
アルゼンチンの神様Carlos Aguirreの新作が出ていて、ひたすらにありがたい。
しかも先日投稿した"Orilliania"(12年作)に近しい演奏のが嬉しいです。近年は少ない人数での演奏が多かったのですが、多彩な色を十全に使いこなす彼の音が個人的には一番好きです。複雑な楽曲なのに、あまりに洗練されていて雄大さに圧倒されてしまう不思議。
旧作のLP化も嬉しいですが、本作もフィジカルで出して欲しい。できれば日本語解説付きで頼みます。
追記。翌日になったら聴けなくなってて心底悲しい…
追々記。その翌日に復活していて心底嬉しい。
King Gizzard & The Lizard Wizardが今年のアメリカツアー音源をリリースしました。なんと22枚。その全てが見事にキモジャケです。確かに一時期、朝方にYouTube付けると当たり前にライブが配信されていました。
去年出た8時間半と5時間半のライブ盤は完走したんですが、これはたぶん全部で50時間くらいかかりそう。流石に無理です…
つまみ食いで聴くと、相変わらずご機嫌で能天気で無限に踊れるかブッ飛べる音を演ってます。
もし、まとまった休みが取れるなら、King Gizzardの全音源を爆音で垂れ流しながら日本中ドライブしてみたいです。
前も投稿したsoraの"re.sort"という作品がやっぱり素晴らしいのでまた投稿。
確かにジャケットのリゾート感覚、ゆったりとした時間感覚はあるのですが、自宅の寝室にも馴染むような電子音の肌触りが良いです。静かに音が流れていくのに、どの音もとてもポップで耳が楽しいです。
玉置浩二の93年作。精神的苦境の時期に作られた極私的な作品。
自らの原風景に没頭する本人の歌は全編泣いているかのようなエモーショナル具合で、アコギ主体の音と大らかで美しいメロディと相まって、聴き手に郷愁を呼び起こす強烈な力があります。この異様な引力にハマってしまうと危険です。
この表題曲は、歌声が大空まで突き抜けてて本当に名曲ですね。当時の東大寺前でのライブが素晴らしいです。
https://youtu.be/jVSfVCNfhxM?si=aqhUzqJljmrYu7XP
入れ墨で女装という中々にギョッとするブランキーの94年作です。中身もかなり異色。
サックスの音から幕を明け、アコースティックギターやパーカッションといった音が印象的で、これはこれで彼らの色気が出てて良いです。そして本来の彼らの音が出てきた瞬間によりゾクゾクできる気がします。
ライブ盤"Monkey Strip Act.2"では本作の楽曲をブチ切れたテンションで演っているのですが、その凄まじさもまずはスタジオ盤を聴いてから味わってほしいです。
Sam Wilkesの来日公演のライブ盤。"iiyo iiyo iiyo"というタイトルに見合うジャケットの適当さがまずiiyoね。強いて言えばジャズくらいのジャンルレスでふわふわした演奏が終始続くので気持ちiiyoね。
Sam Gendelとのコラボだと先鋭的な感じもありますが、Wilkes本人は非常にポップス指向なんじゃないかと思います。この曲はスタジオ盤だとボーカル入りですが、どの曲も歌ものにできるメロディがiiyoですね。
Cities Avivの新作がまた出ています。"Cafe Tom Tom"なる表題の通り、カフェでお洒落に聴けるほどに毒気が抜けたメロウなトラックばかり。もうちょっとエグみを期待しちゃいますが、余技でこれくらいは作れるんでしょうね。心地良く聴けます。
前も書きましたが、この音の酩酊感がハマる方は22年の怪作"Man Plays The Horn"に挑戦願います。
Hotspringというバンクーバーのアーティストの新作。♨️好きなのでそういうチルさを期待したら、ちょっと違いました。でも良いです。
残響増し増しでひたすらにモノトーンな暗さがクール。この曲はCocteau Twinsのようでカッコいいですね。
他の曲は、それなりにチルかったり、吹き荒れる風を聴いてるかの如くアブストラクトな曲があったりと手広いです。低音の音の広がりがどの曲も気持ちいいです。
Wool & The Pantsの新作。話題になってた前作からしれっと5年振り。きっと次も忘れた頃に出るのでしょう。
情感の抜け落ちた音とやる気の全くないボーカルが組み合わさって、得体の知れない代物になってますが、物凄く聴きやすくポップなのは何なのでしょう。
LAのPeel Dream Magazineというバンドの新作。アヴァンポップと自ら名乗る程の前衛かはさておき、Stereolabと Yo La TengoとHigh Llamasがいい塩梅で継承されている具合がとても好みです。
シンプルなバンド演奏を反復しているところに遊び心溢れる細かなアレンジが加わるのが良いです。あと、メロディやフレーズにノスタルジックな雰囲気を孕んでいるのが中毒性を生んでいそう。
特にこの曲を含むラスト3曲がかなりマジカルです。