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aoba_joe
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シャムキャッツの1枚目(11年作)。とても好きなバンドなのに本作だけ聴いてませんでした。ブックオフで迷わず購入。
ヘロヘロでダルダルなようで結構パワフルなオルタナサウンドを出しています。エネルギーの行き場が四方八方に向けられている"くそったれ"ってな感じと茶目っ気が若々しくて、後年の作品とは別に愛聴できそうです。
この頃の好き勝手な演奏っぷりが、ラストアルバムで昇華された形としてまた表れていると思います。
カーネーションの06年作がついにサブスク解禁。嬉しい。
ドラムの矢部さん在籍期のラストとなる作品で、メロディに寄り添い共に歌うドラムは格別です。彼の楽曲も4曲あり存在感大。
全体的にはリラックスしたグルーヴで奏でられる名曲群を味わえる名盤ですが、ラストのこの曲はファンキーで直枝さんの歌唱も熱が入っています。
…カーネーションの作品の紹介はいつも同じ感じになってしまうけど、どれも違って素晴らしいです。
Eric Chenauxの18年作。去年もトリオ名義で素晴らしい作品を出していました。
フニャフニャした歌とギターがダラダラ続くだけなのに、永遠に続いて欲しいと願ってしまいます。
酔いどれた語り口のギターフレーズが絶妙で、時間を伸び縮みさせる効果がありそう。
そこに、寝ながら歌ってそうな芯のない歌声が乗っかることで、月さながらに重力の軽い空間が生まれています。
ルーマニアのPetre Inspirescuの17年作。ミニマルテクノです。
美しいあるいはかっこいいパターンをひたすらに繰り返して少しずつ変化していきます。美しいジャケットのような映像がスローモーションで喚起されます。生活に馴染む優美さといった耳触りが、何というかジャストフィットします。
先日も投稿した名古屋のシューゲイザーバンドのもう片方の新作。
やっぱりギターの音量がデカけりゃデカいほど好きです。この曲のギターはSigur Rosっぽく聴こえるので、バイオリンやチェロの弦でギターを弾くボウイング奏法をやってるんでしょうか。いい音してます。
何となくおしゃれだがキモジャケでもある。米国のピアニストとマルチ奏者、ドイツのボーカリストによるトリオ作品。
ジャズが基調ですが、冒頭のこの曲はいきなりホーミーから始まります。それでも自然に聴こえてくる不思議。うまく言えないですがセンス良しです。
Dennis Bovellの初ソロ作品(78年作)。ダブというジャンルはかなり興味があるものの、全然聴けてませんでした。
たぶん本作はピュアなダブ作品だと思います。ドラムとベースだけのストイックな曲と、この曲のように軽やかでポップな曲がバランスよく並んでいるので、聴きやすいしかっこいいです。これから色々聴いていきます。
ウルグアイのSSWであるNair Mirabratの新作は、同国のEduardo Mateo作品を50年の時を超えて丸ごとカバーしたライブ音源。
先日投稿したMateoのオリジナルとの違いが面白いので併せて聴くのがお勧めです。簡素なアシッドフォークから一転、カラフルな演奏が祝祭感すら伴った全方位的なポップ音楽になっていてめちゃ素晴らしいです。
ライブとは思い難い演奏の上手さも特筆すべきです。
今日からの休暇を死守できた自分を無敵モードに引き上げてくれる躍動感に感謝。
Prins Thomasというノルウェーのプロデューサーによる16年作。
闇落ちした陰キャな牛?犬?みたいな生きものと人間の女体のジャケは古代の壁画のようで、中身はめちゃかっこいいテクノです。
シンプルなベースのフレーズがかなりセクシーなのが良いです。反復と変化がもたらす快楽と静寂が脳内で拮抗する気持ち良さがあります。
情報皆無なタイトルからも、ただ音を浴びるべしというメッセージを感じます。
今日は佐藤伸治さんの誕生日で私も同日です。chooningで毎回投稿している内に佐藤さんの年齢を超えてしまいました…
そうした実年齢的な観点から、30過ぎてこんな歌を歌えてしまうのは凄いなと益々感じるところです。
"僕はいつまでも何もできないだろう"という言葉が放り込まれるだけでも心がざわざわしますが、何もできない、何もしないことが空を飛ぶための条件の如くサビに繋がっていくように聴こえました。
優しいと捉えることもできるんですが、表現として振り切れまくっていて怖いと感じます。
名古屋のシューゲイザーバンド。新作EPを一挙2枚リリースと思いきや、2枚で1つのアルバムらしいです。
シューゲイザーって詰まるところギターですが、本作のギターの音はめっちゃ好きですね。特にこの曲は終始こんな感じでギターで全てを語らんとする気合に満ちています。そんな男気に惚れます。
アンビエントな静かな曲も散りばめられているのもありがたいです。
ウルグアイの伝説的SSWことEduardo Mateoの72年作。
無限扉な怪しいモノクロジャケから飛び出るのは歌、ギター、パーカッションのみのアシッドフォーク的作品。力の抜けたメロディと歌声のせいか、簡素に繰り返される演奏のせいか、作中に迷い込んだかのように錯覚してしまうところがサイケデリック。独特の中毒性があります。
現代ウルグアイの才人Nair Mirabratが本作をカバーしたとのことでその予習でした。
イルリメ名義としては実に15年振りのアルバムとのこと。それぐらい前に吉祥寺の銭湯で見た弾き語りのライブを思い出します。
言葉に溢れているけど静かに語りかけてきます。軽やかなトラックも喜怒哀楽のしがらみを一度すり抜けたかのように上澄みだけが残っている感じです。素晴らしいジャケットが示す清らかな境地。
それでも、自分として生きることの生き辛さや、言葉を尽くしても上手く伝わらないもどかしさが節々に息づいているのが確実に心を打ちます。
この曲は輝いて見える友人との一幕だと思いますが、そうではない自分がチラついていて、でも彼から陽性のエネルギーを得ているようなアンビバレントな感覚もあります。
スカートの16年作。Spotifyだとこれ以前の作品は聴けませんが、意外とタワレコやブックオフにあります。
起伏のないギターがじわりと寂寥を呼び起こすこの表題曲は、変な言い方をすれば、何の変哲もない名曲です。
別れを歌っているのに"CALL"というタイトルなのは、前へ進む足を引き留めてしまうあなたの忘れられなさが主題ということでしょうか。
"あの頃のように 月の光に手を振りあおう いつか会う日までおやすみ"って優しさに満ちた素晴らしすぎるフレーズです。
スカートについては、本作の直前に出たライブ盤"First Waltz Award"がめちゃ素晴らしいのでオススメです。
Miles Davisの"On The Corner"の頃のライブ盤(73年作)。休日は暖房がつかない我が社でこの混沌を浴びて震えながら働いてました。
"On The Corner"よりもグチャグチャして終わりのない演奏。ソリスト不在な体制で、Milesのトランペットは混沌を維持するという点で全体を統率しているように聴こえてきます。
この時期の未完の大器的な黒い塊が未だにミステリアスで魅力的です。苦行でしかない時もありますが…
ナタリーのインタビューで、Lampの染谷さんが自身の幼少期からLamp結成頃までの音楽遍歴を語っていたのが面白かった。
その記事に付属していたプレイリストがさらに面白く、超メジャーなアーティストばかりなのに選ばれた楽曲を聴くとLampっぽさが浮き上がるものになっておりました。
ジミヘンのこの曲もその1つですが、何だか自分の知るジミヘンよりメロウなギターが鳴っています。歌と一体となったギタープレイがかっこええです。
Volodja Brodskyというエストニアのピアニストの新作。最高にイカしているジャケとその中央に君臨する怪しい男…どんなカルト盤かと思いきや、びっくりするほど美しいピアノ曲集。
残響が深いピアノの音で奏でられるミニマルなフレーズを聴き続けていると、時間感覚が失われて静かに音に没頭できます。僅かに入るビブラフォンもセンス良いです。
ceroの"イブニング・ニュース"のようなピアノの音が個人的には大好物です。
なお、エストニアの才人であるMisha Panfilovによるプロデュース。
"3月の水"のMarisa MonteとDavid Byrneによるバージョン。オルタナロックっぷりが衝撃的ですが、Byrneがやるならこうなるかと不思議と納得もできてしまいます。
こうやって色んなver.を簡単に聴き比べできてしまうのがサブスクの便利さなので、他の曲でもたまにやってみたいですね。
"3月の水"のCassandra Wilsonによるver.
パーカッションのお陰か、原曲のリズム感を上手く薄めてジャズ的なアドリブが自然に入るようになっていて、聴き心地が良いというか親密度が高くホッとする仕上がりです。本人の声質もあってブルージーな渋さも感じられるのも他にない良さかと思います。
"3月の水"のピアノとボーカルだけのver.というのは相当珍しいと思われます。
Andre Mehmariのクラシカルでポストロックっぽさすら感じる幾何学的なピアノ演奏の上で、何故こんなにも不自由なく歌えるのでしょうか。という意味で最もテクニカルなver.と言えるかもしれません。痺れます。
"3月の水"の最もチルいバージョンはこのSergio Mendesのものかもしれません。メロウなエレピが最高なのと、もったりとしたリズムはむしろ英詞でアクセントをつけていくには丁度よい感じです。
オリジナルにあった陰影を徹底的に取り除く潔さが素晴らしいです。
なお、アルバムタイトルは"Brasil '88"ですが、78年リリースらしい。そんな楽観的な適当さを絵に描いたようなジャケットを見ると元気出ますね。
"3月の水"の英詞での著名なバージョンはこのArt Garfunkelのものでしょうか。
英詞だとリズムの魅力が少し損なわれるのが残念ですが、フォーキーなアレンジがとても聴きやすく、このリラックス感も良いです。
"3月の水"、これはジョビンの還暦記念アルバムでのバージョン。
テンポの設定が絶妙で、リズミカルな軽やかさと洗練度合いの調和が最も取れたver.かと思います。あと、本人の歌が上手くなっている気がします。
この曲に限らず、エレガントでありながら和やかな雰囲気に満ちているという奇跡的なアルバムです。
"3月の水"、これはジョビンとGal Costaとのライブバージョン。ジョビン自らやっている中ではこれが一番好きかもしれません。
この流れている部分のアレンジは本ver.独自のもので速いテンポでのリズミカルな掛け合いが楽しいです。
"3月の水"の決定的なバージョン。
もっと流麗に歌える女性歌手は沢山いると思いますが、ジョビンの声も引き受けた上で、ここまで人懐っこい感じに仕上がるのがElis Reginaの歌の素晴らしさなのかなと思います。
"3月の水"プレイリストを作って20バージョンくらい聴いてました。これは作曲者ジョビンによる初期バージョン。
流れているこの部分の有無で楽曲の色彩が全く変わってくるのを、ジョアンver.と聴き比べて痛感します。本人の慣れない歌が醸す孤独感はジョアンにも通じる所かと思います。
なお、最初の録音は雑誌の付録としてついてきたものでYouTubeの以下のリンクで聴けます。速いテンポのローファイかつファンキーなサンバで非常にかっこいい。
https://youtu.be/F8Kt14qDK94?si=HNW4_Hb2lW2UBW6N
この歌を適当に歌ってあげると生後6ヶ月の我が子がニコニコします。胎内にいた頃からよく聴いていたからかもしれないし、跳ねるようなリズムが楽しいのかもしれません。
改めて聴いてみると、不思議なタイミングで不意に歌が途切れてギターとハイハットの音が浮かび上がってくるところが印象的で、歌とギターの緩やかなようで一定の緊張をもたらすグルーヴにますます引き込まれる瞬間だと思えました。危険です。
Laura day romanceの新作。前作も良い作品でしたが、こんなに飛躍した作品になるとは思いませんでした。
何よりいいメロディの曲が揃ってます。そして、ボーカル、ギター、ドラムのメンバー3人がバランス良く活躍していて、アイデアが詰まった演奏になっているのが楽しいです。
そして音の質感が場面ごとに変わっているというか、魅せたい部分をより際立たせる、デフォルメするような音のお陰でドラマチックに聴こえます。昨年のVampire Weekendの音の扱い方に似ている気がする。
アンニュイなaikoっぽい声質のボーカルが奇跡的な耳馴染みの良さをもたらし、攻めの演奏でもポップに収まっています。
Howie Leeという北京のビートメイカーが、チベット仏教の詠唱音源とハチャメチャなビートを掛け合わせた面白い作品(24年作)。
とにかくビートが多彩で、3,4分程度の曲中でもどんどん展開していくのに圧倒されます。それでいて詠唱音源がメインに聴こえるように仕上がっています。それは本人のセンスかもしれないし、あるいはオリジナル音源の悠久なるパワーと懐の深さに因るものかもしれません。
コペンハーゲンのバンドらしいが正体不明。
生演奏かサンプルかも区別がつかないフレーズの繰り返しが残響マシマシでひたすら続きます。だいぶ苦行ですが、残響具合が刻々と変わっていくのに耳を傾けているとズブズブと呑まれていきます。
トラックごとに音が展開していき、9〜11曲目あたりは聖なる感じすら漂う美しい音に。苦行が報われます。
クレジットにAfrican-American Sound Recordings(Cities Avivの別名義らしい)があったので出会えましたが、登場しているのかも不明。