真っ黒なハウス・サウンドが最高なMoodymannの2004年作。
前作よりもドープさを深めた名盤で、チープでいかがわしいジャケットも素晴らしい。
詳しくは知らないが過去シングルや別名義作などを収録しているようで、この時点のベスト・ワークスとも言えるかも。
たしかにそれも頷ける強力な楽曲ばかり。
そして凄いのはそうした作りとは思えないほどにアルバムとしての空気が統一されていることだ。
この曲はBob James「Spunky」を細切れにした奇怪なビートの中毒性が高いファンク・ビート。
Marvin Gayeの大胆な声ネタ使いも官能性を高めていて、その濃厚な世界観にズブズブとハマってしまう。
Moodymann
- Moodymannの98年作。 前作よりブラックミュージックを総合的にブレンドする手腕が本作から本格化していて、ジャジーでスムーズな楽曲が増えています。アルバムとしての流れが素晴らしいです。 ラストのこの曲では、牧師の説教をサンプルとして使い、とんでもない熱量のコール&レスポンスが現出。一方で、ビートは敢えて機械的で盛り上がりを排し、展開を抑制しているのが印象的です。現場の音楽を作るのはオーディエンスあってこそという考えがあるのかもと想像します。
- Moodymannの18年作シングル。 アフロじゃなくてスキンヘッドっぽいですね。 9分弱の中で、ジャジーなパートからこの部分のような浮遊感のある4つ打ちパート、テンポを落としたファンキーなパートと移り変わっていく展開がエロいです。エレピとベースとビートというシンプルな作りなんですが、まったくそう思えないラグジュアリーさ。 Moodymannの高値な中古12インチ(手が届きそうでやはり高い)を見るたびに金持ちになりたいと思います。
- Seven Mile (feat. Moodymann) - Rocco Rodamaal Deep Down Mix Short Edit アーティスト Louie Vega, Moodymann, Rocco Radamaal ソングライター Axel Tosca, Kenneth D. Dixon, Luis F. Vega
- Moodymannの19年作。 親の顔の次ぐらいに見たグラサンアフロが再びジャケに。どの作品も素晴らしいため、区別して説明するのが難しいんですが、強いて言えば本作は快楽指数が高めな作品です。作品のトータリティより楽曲のパワーで攻める全7曲。 他の曲よりスローなビートと悩ましげな女声サンプル、メロウなエレピの絡みが圧倒的な官能をもたらす(つまりエロい)この曲が特に印象的です。 余談:Original Loveにも"Deeper"というスローでセクシーな名曲がありますが、この"Deeper"という単語が官能的なインスピレーションをもたらすのかもしれません。比較級って意思を感じてエモいです。
- Moodymannの21年作。目下最新作。 本人なのに珍しくアフロじゃない、という理由かは不明ですが、音が透き通って聴こえるくらい滑らかな耳触り。この曲なんてキラキラしたパーティーチューンな感じすらあります。 しかし、いい具合に不穏さと酩酊をもたらす濁りシンセや、少しゴリッと煽ってくるベースのファンキーさは流石のMoodymann印といった感じです。 いつもより軽やか故に薫るエロさもあるかもしれません。
- Moodymannの初作(97年作)。 グラサンヒゲアフロというインパクト抜群な自身の姿を、その後もアイコンとして使い回す胆力がまず尋常ではなく、生まれる作品も当然尋常ではありません。 後の作品に比べるとシンプル故に痛快な気持ちよさがあります。単なる4つ打ちなのに、なんでこんなに彼のトラックが気持ちいいのか、言葉が追いつきません。 11分超のこの曲では、鳥の鳴き声や子どもの声のサンプルが朝を演出する中、3分ほどのジャズパートの後に本作でも屈指のファンキーなビートが展開されていて降参しました。 最終的には鳥の鳴き声がサイケに響くから尚やばい。
- Moodymannの04年作。 全体の完成度は随一な作品。良い曲、良いグルーヴというのは当たり前として、冗長さが全くなく、1枚の作品としての流れが素晴らしいです。 圧倒的に煙っぽく降霊術でも始まりそうなこの1曲目が一番重たく、そこから少しずつ軽やかに展開していき、ラストのタイトル曲で果てしなく疾走していく爽快感がもたらされます。 なお、本作の続編EP"Black Mahogany Ⅱ"はSpotify未解禁ですが、ジャズへの傾倒が進み、全編ウッドベースがうねる別の境地へ至っています。
- Moodymannの03年作。 前後作が強力過ぎるので、若干存在感は落ちますが、彼の作品に全くハズレなしです。ジャケのフォントがダサいのはご愛嬌。 ジャズテイストが強く、ピアノやサックスが印象的に鳴っている曲が多いです。そんな感じだとエレガントですが、キックやベースの重さやソウルフルなボイスサンプルが絡むと一気に肉体的な音になって、内からブチ上げられます。やはりめっちゃカッコいい。
- Moodymannの00年作。途方もなくかっこいいです。 他の作品でもっと洗練されたグルーヴィーなものもありますが、この作品での漆黒のザラついた生々しさは格別です。煽り立てる熱さがあります。 特にこの曲は、オルガンの即興演奏と共に上り詰めていく女性ボーカルが素晴らしく、とにかく永遠に続いて欲しい1曲です。
- 自宅の音楽棚を聴き返すその19。デトロイトハウスの漆黒魔神ことmoodymannの2004年作。どの音源もぶっといグルーヴが最高で、とくに本作は全編素晴らしい。肉感溢れるビートは、ブラックミュージックの猥雑さや不穏さもしっかり含み、それでいて決して下品にならない優美さもある。信頼と実績のグラサンアフロである。