yamabato
読書忘備録
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やっぱり、いろんなことを話せる相手が増えてくると、自分にブレーキをかけたり、まわりに対する自衛に神経すり減らしたりする必要がなくなってくるのかなあ...P20
「坂上 香 - 根っからの悪人っているの? 被害と加害の間」より
自分の抱く感情について、ちゃんと言語化できたら、無駄に他人に攻撃的になったり卑屈になったり極度に不安になったりしなくて済むとおもうが、それはやはりとても難しいことであるともおもう。
・最近はSNSを見る際に、時間制限を設けて信頼できそうなメディア、関心ごとに関連するアカウントのみを、読むようにしてます。
・マインドフルネス / セルフ・コンパッション / 認知高度療法の書籍を読んで、自分が気づけなかった無意識に取り入れた考え方や、過去に言われた暴言やその内実について向き合ってます。(日々波があるので、ほどほどに)
・毎日6km〜15kmのウォーキング。
トラウマ専門の心理療法士の本を読んでいたら、適度な運動は「ストレスホルモンの分泌を抑える効果、体の緊張軽減、気分の落ち込みや不安の軽減、睡眠の質向上」に効果があることを知って、元気なときは動くようにしてます。
あけましておめでとうございます。
今年はSNSに費やす時間を減らすこと。そして本や運動、信頼できる人とのコミュニケーションにもっと時間を費やしたいと思ってます。
自分の課題と向き合い、自分を救いたい。それは、金継ぎのように、そこにあった傷つきや苦しみを誇れるように自分の中での変化が生まれることを願ってます。
皆様が平安な日々でありますように
心に問題を抱えていない受刑者は皆無です。
しかし自分の心に問題を抱えていることに気づいている受刑者はほとんどいません。だからこそ、過去にさかのぼって彼らの「語り」に耳を傾ける必要があるのです。
そうすると、必ずといっていいほど、問題の原点が幼少期にあることが分かります。
受刑者の問題の原点が明らかになったとき、私の頭をよぎることがあります。
もし幼少の頃、問題の原点に適切な手当てをしておけば、いま目の前にいる受刑者は罪を犯さなかったかもしれないと。そもそも私の前には、この受刑者はいなかっただろう。そして、被害者も生まれることはなかったとp12
岡本茂樹 - いい子に育てると犯罪者になります
「それにしても、とあらためて考えざるを得なかった。謎や問いには、簡単に答えが与えられぬほうがよいのではないかと。
不明のまま抱いていた謎は、それを抱く人の体温によって成長、成熟し、さらに豊かな謎へと育っていくのではあるまいか。
そして場合によっては、一段と深みを増した謎は、底の浅い答えよりもはるかに貴重なものを内に宿しているような気がしてならない。」
その通りで、ネガティブ・ケイパビリティは拙速な理解ではなく、謎を謎として興味を抱いたまま、宙ぶらりんのどうしようもない状態を耐え抜く力です。
帚木 蓬生 - ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力
・研究からわかっていることですが、 自分に対して今までより優しくするようになると,他者に対して優しくするのもうまくなります。 与えるものが増えるからです。
人は、頑張って目標を達成するには自分を責め立てなくてはならないと考えます。けれども,研究はこれが本当ではないことを明らかにしています。
・自分自身に優しくするには, 今自分が感じていることを知らなくてはならないからです。 怒りの感情, 傷ついた気持ち, 自分はまだまだだと思う気持ちなど今感じていることすべてに気づいている必要があります。
カレン・ブルース - マインドフル・セルフ・コンパッション
他者からの思いやりや気遣いが無いと感じたり、あるいは他者が自分の価値を評価してくれないと感じたりすると、人は自分自身の目から見ても生きる意味を失ってしまうようだ。孤独な人、あるいは社会から孤立し、拒絶される恐れのある人の自殺ほど、このことを如実に表しているものはない。自殺を考える人、あるいは自殺しようとして未遂に終わる人が、生きる意味の無さと社会的支援や他者との社会的つながりの無さの両方を露わにしていることは、何ら驚くべきことではないはずである。P280
小澤デシルバ慈子 - 孤独社会 現代日本の〈つながり〉と〈孤立〉の人類学
📖勅使川原真衣-職場で傷つく
私たちの目に見えているのは、その「状態」、その時々の姿であって、それがある人の「低い能力」だなんて、驕るのもたいがいにせねばなりません。
また同時に、その個人の「状態」は、職場環境との相互作用の産物であることも、忘れてはなりません。
個人ひとりの「能力」「やる気」の問題として断定し、
事態は好転するのでしょうか?「あいつほんとけしからんよね」で、スケープゴートにされた彼はもとより、実は彼以外誰かしらが吊るし上げられるような職場に対して、安心感を持てるでしょうか?
そのときは逃げきれても、次いつ自分がうまくいかなくなるかなんて、無数の変数を前に誰もわかりません。
📖アラン・ド・ボトン - メランコリーで生きてみる
わたしたちの精神状態に関わることだが、
建築にはわたしたちを良いほう、あるいは悪いほうへ向かわせる力がある。建物がたまたま話している内容が、わたしたちの精神の安定にとって非常に重要な鍵のひとつになる。 建ち並ぶ建物が、許し、優しさ、謙虚さについて話しているような地区にいると、世の中が親切に感じられ、落ち着いていられるし、自分にも優しくなれる。そうでない場所に長くいすぎると、その外部環境がわたしたちの内なる世界の悪いところばかりを増幅しはじめる。p115
怒りの前に悲しみ・傷つきがあり、その時点で 〈対話〉ができれば、会社は余計なエネルギーをつかって紛争解決に奔走したり、解決できず誰かを一方的に排除するようなまねをしたりせずにすむのです。P48
勅使川原真衣 - 職場で傷つく~リーダーのための「傷つき」から始める組織開発
他人に期待するってのは「祈り」であって、「指示」であってはならない。でも、それって難しいことだなと思う。
そもそも、対話ができれば、いいのだけれど。
期待をされれば、その期待に応えたいと思うし、期待外れだなと思われないように振る舞わなければ、と無理をしてしまうようなところも。
セルフコンパッションとは,その優しさや気づかいを自分自身に向けるということです。
そう、こう言うと、なんだか自分勝手や自分を甘やかすことみたいに思えるかもしれません。でも、信頼してもらって大丈夫です。研究からわかっていることですが、 自分に対して今までより優しくするようになると,他者に対して優しくするのもうまくなります。 与えるものが増えるからです。
人は、頑張って目標を達成するには自分を責め立てなくてはならないと考えます。けれども,研究はこれが本当ではないことを明らかにしています。P5
カレン ブルース - マインドフル・セルフ・コンパッション
適切に自分をケアできるように勉強。
2024年、読んで印象に残った本を残しておきます
同性婚法制化のQ&A - 「結婚の自由をすべての人に」訴訟全国弁護団連絡会
なぜ人と人は支え合うのか - 渡辺 一史
安全に狂う方法 - 赤坂 真里
贖罪 殺人は償えるのか - 藤井 誠二
雨の日の心理学 - 東畑 開人
差別はたいてい悪意のない人がする - キム ジヘ
酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話 - 松本 俊彦,横井 誠
自殺の対人関係理論 - Thomas E. Joiner Jr
わたしはわたし。あなたじゃない。 10代の心を守る境界線「バウンダリー」の引き方 - 鴻巣 麻里香
感情ヒューリスティック:
好き嫌いに起因するバイアス。個人や事象に対する感情、特に好き嫌いで物事を判断してしまうことを指す。
たとえば、なかなか好きになれないXさんの発言内容を否定的に受け取ってしまう一方で、尊敬しているYさんの発言内容は頭から信じ込んでしまうといったように、「どのような内容か」ではなく「誰が述べたのか」によって情報を選別・判断してしまうのが感情ヒューリスティックである。P229
波頭 亮 - 論理的思考のコアスキル
Spotifyによると、今年一番聴いたバンドはxnomadxだった模様。
ところが実際には、孤独を感じるのはたいてい、一緒にいる相手がひとりもいないからではない。
変わったところをいろいろ抱えているありのままの自分をきちんと理解してくれそうな人があまりいないからなのだ。
食事相手を見つけるのはそう難しくないし、天気のことならいつでもだれかと話せる。
ただ、だれかと話せばたちまち孤独でなくなるわけじゃない。 孤独でなくなるのは、悩みや悲しみを打ち明けて、理解してもらえるときなのだ。
ようやくだれかに話を聞いてもらっているとき、わたしたちは孤独を感じなくなる。P23
アラン・ド・ボドン - メランコリーで生きてみる
「両側刺激」は脳のバランスをとるのにいいと言われています。 EMDRと言われるカウンセリング技法では、眼球を左右に動かしたり、左右の膝を交互にタップするなど、左右両側に交互刺激を与えながらトラウマ記憶を探ります。
そのプロセスのなかで、ほかの記憶とのつながりが出てくることが多く、極度にネガティブな意味づけがなされているトラウマ体験について、その偏りを除いていく方法として知られています。
たとえば、バタフライハグと言ったり、タッピングと言ったりしますが、両腕を胸の前でクロスさせ、交互に肩をトントンと軽く叩くのも効果があると言われていて P99
宮地尚子 - 傷つきのこころ学
男性の性被害をめぐる研究をしている友人がニュージーランドにいます。
彼が主宰している自助グループでは、トラウマ体験について話をするのではなくガレージで車の修理をしながら、ただ時間を一緒に過ごすのだそうです。
何もせずにただ時間を過ごすだけではさすがに間がもたないので、一緒にできる作業をするのがいいと言われています。
自分の傷と向き合い、語り始めることができるタイミングは人それぞれです。
また、一度にすべてを語れるようになるとも限りません。しかし、わかってくれる人のそばにいてサポートを得られ心身の余裕が与えられれば、時間はかかるものの少しずつ傷は癒えていきます
宮地尚子 - 傷つきのこころ学
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instagram、Spotifyの2024年の振り返り投稿で溢れている。
個人的なことで言えば、今年読んだ本は70冊程度しか読めなくて、ジャンルは主にLGBTQ +関連、依存症、精神医。
とりわけ、9月に出版された「酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話」は良書として印象が強い。
自傷行為、若年層の市販薬の濫用、依存症の背景などが、明瞭に描かれていて知識が整理された。
Deftones cover,
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キャリアの語源は、ラテン語の “carraria” とされており、これは、馬車が通った後にできる「轍」を意味
します。それが転じて、人のたどる軌跡・経歴を意味するようになってきました。
キャリア研究で有名なシャイン (Schein)氏は、「キャリアとは生涯を通しての人間の生き方・表現である」と言っています。 「キャリア」というのは、個々人が自分の人生を歩んできて、時々振り返ってみた時にできている足跡、つまり生きてきた中で経験したことを束ねたものということができるでしょう。 P4
武石 恵美子 - 「キャリアデザイン」って、どういうこと? 過去は変えられる、正解は自分の中に
大切なものについて、なぜそれが大切なのか、そしてそれはどのような点で大切なのかを実感するための一つのやり方は、それがない生活を想像することだ。P51
ドミニク・マカイヴァー・ロペス,ベンス・ナナイ,ニック・グリル - 「なぜ美を気にかけるのか 感性的生活からの哲学入門」
自分の想像が及ばない、想像の限界があると考えてるので、他者の事情や痛みは必ずあるのだと考える大切さを、書籍で細々と学んでいるところ。