#108 大晦日の夜はしみじみと365日を振り返りたい。「咳をしても一人」のようなイントロから始まり、切ない願いを静かに歌い叫ぶこの曲を、煩悩に捧げます。
今年はChooningに出会えて、色々な音楽に触れられて実り多い年でした。皆さま良いお年を!
萩原朔太郎の詩集「月に吠える」から着想を得た新曲の 夜に吠える。
リズムを淡々と刻むトラックにVo.の生々しさが強く感じられる音で、空間、休符の存在が強く感じられる展開が気持ち良い。
これがヨルシカの個性なのかどうかがわかるまでヨルシカは聴きこんではいないけど、この曲の個性は強く感じられる気がするなぁ。
ヨルシカ史上もっとも不穏な夜の歌じゃないですかね!なんたる暗く力強いエネルギー。萩原朔太郎『月に吠える』は青空文庫版がWebから無料で読めるので、世界にどっぷり浸りながら聴くと楽しみが増します。たぶん特定の詩のモチーフそのままじゃないと思うけど、トリビュートのねらいは確かに感じる。『逃亡』推しのkuuさん、ぜひこちらも。
それと特筆すべきは「音づかい」です。通してビブラフォン(エレクトリカルな鉄琴)が聞こえるのはとっても珍しいのと、サビ前後で「ポンッ」というSE・「Ah」って吐息が鳴るのは、『創作』(インスト曲)でちょっと見えていた手法かな。聞けば聞くほど楽しい。