野口文の新作。
何層もの音が独立して流れて、連関性よりも混沌を感じますが、意外とスーッと耳を通り抜けていって不思議と不快感がありません。
申し訳程度にSSW的な楽曲もあり、こちらは朴訥とした歌声が良いです。
走馬灯みたいな作品。
死に向かう不可逆な時間の流れだけはハッキリしているようにも聴こえます。飛び込んできてスッと立ち去る音の群れは、運命みたいなものかもしれない。
この曲のクラシカルな展開と野次馬的で呪詛のようなボーカルを聴くにつけ、脈絡のなさに生が宿っている、気もします。
最後の表題曲はオルガンによる荘厳な曲で、よく分からないままに恐ろしく美しいクライマックスを迎えます。