川端康成を初めて読んだ。さすがに表現が美しすぎる。駒子について、気持ち悪い程に細かい点をくどい程の比喩で、でも美しいが勝つ。風景についても同様。
『雪国』
“一面の雪の凍りつく音が地の底深く鳴っているような、厳しい夜景であった。月はなかった。噓のように多い星は、見上げていると、虚しい速さで落ちつつあると思われるほど、あざやかに浮き出ていた。星の群が目へ近づいて来るにつれて、空はいよいよ遠く夜の色を深めた。国境の山々はもう重なりも見分けられず、そのかわりそれだけの厚さがありそうないぶした黒で、星空の裾に重みを垂れていた。すべて冴え静まった調和であった。”
サカナクションも夜を描くのがうまい。