音楽特番で“日本のラブソング特集”なるものを何度も観たことがありますが、これより好きなラブソングはそれぞれにあるとは思いますが、この曲以上の“日本のラブソング”はあり得ないと思うのです。
愛の概念を近代に輸入した国にあって、あえて太古から変わらぬ愛があるのだとすれば、それはこの曲が歌う心そのものだと思えてならないのです。
折坂悠太の2ndアルバム『平成』を聴いた。「平成元年生まれ」の肩書きのもと制作されたらしい。ノスタルジーと平成世代の新しい感覚が見事に融合した傑作。ソングライティング、アレンジともに完璧だし、何より歌の表現力が抜群。最近CDを買ったけど、意外にも紙ジャケじゃなかった...。
大名曲「平成」の後にくるこの曲は、琉球民謡のようなしっとりとしたテイスト。東日本大震災がテーマにあるけど、その美しさには思わずウットリしてしまう。「そちらは揺れたろうか」という歌詞が秀逸。日本人の誰もが共感できる言葉であり、そこには人を想う気持ちが最大級に表現されている。そちらとはどこを指すのか...。隠れた大名曲。