Chet Bakerの歌とトランペットには全く垣根がなく、どちらも甘美で官能的なのが不思議でたまらない。この曲レベルのバラードは最早ジャズとかどうでもよくなる美しさにため息しか出ない。
本作は枯葉の名演を含む74年の名作。spotifyでは不完全にしか聴けず、このジャケもオリジナルと違うという、ちぐはぐなものになっているのが残念。あの名盤"Sings"(54年)から20年も経っているとは思えないほど本人の音は変わらない瑞々しさ。
バラードの美しさだけでなく、枯葉の他アドリブが白熱する曲では、耽美さとしなやかさが絶妙に両立。Steve Gaddの手数の多いドラムと不思議に相性が良いのが面白い。