Shintaro Sakamoto
- 坂本慎太郎による2026年5作目。 ここ数年は旧譜を中古で漁るばかりで新譜はサブスク頼りだったけど、この人のCDはやはりリアルタイムで手元に置いておきたいと思い購入。 ドラムに菅沼雄太、ベースのAYAというライブでも同様の体制を敷いた本盤は、ソロ初期に比べてグッとバンド感が増し、極めて洗練されたメロウでサイケなグルーヴ感が満載。 まだ身体に馴染むほど聴き込めていないが、大名盤『ナマで踊ろう』を凌駕する可能性を秘めていると思う。 購入の決め手になったこの曲は、彼のキャリアの中でも珍しいアッパーなサイケ・ファンク。 快楽神経を刺激する反復フレーズに、漂うような厭世的な歌声がこだまする。
- 坂本慎太郎の13年に出たシングル。新作を買おうとディスクユニオンに行ったら、LPは綺麗さっぱりなくなっていました。 "まとも"を求める同調圧力へのささやかな抵抗と、まともにもなれない自分への僅かな憐れみがヌルっと混じってカラッと演奏されているのが、心を軽くしてくれた記憶があります。 この曲をEDで使ったドラマ"まほろ駅前多田便利軒"の雰囲気と実に合っていました。イントロは天国的ですらあります。 で、新作のインタビューでもこの曲に言及されているのを見て、当時がすごく牧歌的に思えて世の移り変わりを不思議と実感しました。
- 「幻とのつきあい方」でパーソナルな視点での現実感の無さにどっぷりハマり、「物語のように」で人生がこの世の中に位置づいてる上での浮遊感に変わった。 「ヤッホー」は、やっと文句が喉から出てきた感じ。 自分の社会への目線の変化と共にピッタリフィットしてる(と感じ続けさせてくれる)
- 新作『ヤッホー』が凄いことになった坂本慎太郎が、ゆらゆら帝国解散後にリリースしたソロ初作(2011年)。 まさしく『空洞です』を発展させたような虚ろでメロウなサイケ・ポップで、ゆらゆら時代に聴けたガレージなギターは完全に霧消、代わりにコンガによる異次元のトロピカリズモともいうべき不穏な音世界が追求されている。 本作たった1枚で“ゆらゆら帝国の”という枕詞を不要のものとしてしまった恐るべき名盤です。 この曲は坂本慎太郎の唯一無二の言語感覚が冴え渡る。 不可解で意味を追い求めることが無意味な歌詞世界を補強するのは、クラウトロック由来の無機質で冷徹なミニマル・ファンク。 新作も買わないと。
- 社会生活で必要とされる正しさに力んでしまって、膝から崩れそうな時にいつも聴く。 世の中に見えることは全部自分の心の中で起こってる、と立ち返って、みんな手放していく… そういう時が必要なので、同じ曲を定期的にアップするのをお許しください…
- 時々大学生の時の感覚がフッと蘇る。 新宿駅で人混みに慣れず、その感覚を捉えられないか写真を撮ったり絵を描いたりしてた…慣れない、あの感受性。 この曲は全然そんなことは歌ってないけど、多くを感じなくなって停滞したような気分がなぜか「逃げ遅れた」って歌詞と重なった。