青いダウンジャケットを着ると、藤井風の青春病を聴きたくなった。ヘッドホンの電源を入れ、Spotifyから検索を行い、シングルのジャケットをタップした。NIKEのエアフォースを履こうと思ったけれど、『青春の病に侵され』と聞こえて、革靴に履き替えた。外は17度、降水確率は0%の、雲一つない快晴だった。階段の前で間奏に入ると、なんだかうれしくなって、その場で二三歩、足踏みをした。青桐の葉は黄色く紅葉していた。茶色くなって落ちた葉は、風が吹くと、傍にあった車の上に飛んでいった。老人ホーム前に植えられた桜はところどころ赤くなり、青いニット帽のお爺さんが車椅子から眺めていた。ひとつ、おにぎりを食べていた。