いつのまにか大変な深化を遂げていたGREAT3の目下最新作。これはとんでもない傑作で、90年代から培ってきた洋楽的エッセンスを完全に血肉化して産み落とされた10年代における日本ロックの最重要作ではないか。
前作セルフタイトル作では再始動の初期衝動に駆られた荒々しさが魅力的な快作だったが、本作はJohn McEntireとの交流で物にしたシカゴ音響派譲りのテクスチャや各自のソロ活動を経たうえでの、緻密で繊細な楽曲が並んでいる。
特にこの“タランチュラ”がすごい。
インディR&Bに共振したイノセントなスロウで、深く研ぎ澄まされた音響と片寄の官能的なボーカルが濃密な世界を描き出す彼らの新規軸。