ma1981sa
青い春
青春時代の思い出は灰色がかった空と、動けない体。
そんな前が見えないクソッタレの時に聞いてた音楽だけをリスト。いまは、音楽を聴いても何も響かなくなってしまった。あの時、あの青い春、灰色で霞みがかった青い春の時に聞いた音楽のみ魂を震わせた。
もう二度とあんなに音楽に助けられて、楽しんで、力をもらった日は来ないだろう。
流れ流れてどこへ行くのか。
ぼくの命はいまここにある。
20年前のバーに行たメンバーを思い出す。
夜中までヘロヘロに飲んで、
朝起きると、みんなグダグタ、それでもそこから仕事に行って、また、バーに集まってくる。
お金はなかったけど、心は貧しくなかった。
それは、戦友のみんながいつもいてくれてから。
ありがとう。心から。
成人式のスーツを買いに行ったあの日。
店員さんにどんなスーツがご希望ですかと聞かれた。
ぼくは、さらば青春の光でと答えた。
店員さんは3つボタンのスーツを仕立ててくれて、
ぼくは、モッズコートを上に着て、成人式の会場に向かった。
もちろん、会場に行くまでに聴いていたのが、
この曲。
そう、This is my generation!baby!
スキニージーンズは嫌だ。
そんなスタイルから入ってどうするんだ。
音楽はアティテュードだ。
そんなことを覆す軽快な音楽。
革ジャンにスキニージーンズ、カッコいいと初めて思った。彼らが教えてくれた、たった3分間の曲で。
20年前の俺へ。
この曲を聴いてたときの友達とは喧嘩してもう誰とも会ってない。そして、あの時描いていた、なんだかすげえ奴に俺はなれなかった。
いまでは、あの未来が真っ青に青すぎて眩しいと感じることもなくなった。
ただ、その後、かけがえのない友達ができ、結婚もした。仕事も楽しくやっているよ。そして、20年前の俺から見ても真っ当に魂込めて生きてきた。だから、大丈夫だ。
不安をかき消すためにいつも聴いてたな、その後に絶望することも沢山あったけど、それを上回る沢山の財産になる出会いや嬉しいことがたくさんある。
願わくばもう一度、青道を歩んで行きたい。
初恋のあの子が言った。
私はToo much painが好き。
僕が聞いた質問にそう答えた。
それから、ダッシュでタワレコで探した夏の日。
壊れそうな白い肩と関係性。
砂浜に座ってた彼女は今何をしてるんだろう。
心の底にいつも残る深い痛み。
too much pain.
喉の奥の魚の骨のようなものが落ちた。
ずっと引っかか出た違和感が、ポロっと落ちた。
何気なく辿り着いた、タワーレコードのCDの一枚。
大事なのはアティテュードだと、そう言ってくれたね。そう、生きていこう。
小学生の音楽の教科書に入れるべきだ。
初めて聞いた時、14歳の時、夜眠れなかった。
教室という箱にいて、当時はアイフォン もない時代。
社会の情報から遮断されたおれに、ジョンライドンはこう言った。アナーキー。そう、人生で道を外さなかったのはこの曲のおかげ。シビれるくらい下手な演奏に、中学生のおれは、初めて世界を見たいと希望が湧いた。ギターはスリーコードで充分だ。大事なのはおれ次第。
何が自由だ!不自由ばかりだ。
いつもいつもそう思ってた。
頭を下げてお客さんのところを駆け巡り、
なけなしのお金で、自動販売機の前に座ってたあの頃。
悔しくて、雨が降っても、夜になっても家に帰りたくなかった。
そんな時にいつも思い出していたのは、この曲。
あの頃のおれに言ってやりたい、あの時のおれの方が自由だったよ。今じゃカチンコチンの不自由なおれ。
いま聴いても何も感じない。
幸せになったからか、いや違う。
忘れてるのか、いや違う。
たぶん、あの頃のおれは、もう少し人に優しかったのだろう。そして、突き抜ける想いが天を駆けていたのかもしれない。
たぶん、死ぬ間際にもう一度聞かなければ。
その時に答えは出ると思う。
そんな曲。
19歳の時、津田沼駅のkioskの前でいつも弾き語りをしていた。学生でも社会人でも無い無職、もはや、無職でも無い、ただ息をしているだけの時代。
この歌を路上で唄ってる時だけ、生きてる気がした。あれから、20年、今聴いても何も感じない。
失うモノがなかったあの時代に、たった一つ持っていた今とは違うモノがこの曲にはあった。
そう、誰しもの、いつかの少年。