私にバレアリックなるものを教えてくれたMark Barrottの作品には、恐ろしいほど外れがない。享楽的な曲であってもどこか思慮深さを感じさせるところが、想像以上にシリアスなのかもしれないとも思っていた。
自身の療養のために作ったという本作はそんな側面が色濃く出ており、一音一音をじっくり味わえる作品でこれまた傑作である。以前の作品ではイビザ島の自然へ向けられた洞察が、ここではどうやら京都等の日本の街並みに向けられているらしい。それ故に日本のアンビエント作品とも似た質感(あるいは湿感)を持っている。実に肌に馴染む。