#OPUSOFTHEYEAR2006
quasimode『oneself - LIKENESS』
後記述。
アウトロもあったので一緒に
ひたすらカッコいい一曲
過去に同じ曲をpostされてる方がいましたが
心掴まれるイントロ
こんな感じでわかるわー!って共有できるのも
chooningの楽しいところ
quasimodeが2012年に発表したアルバムで、最初に気に入った曲が「Slow Motion」です。
サウンドはソウル・ミュージックの一派であるモータウン。聴き手の心をほぐす軽快な音に魅せられます。
四人が紡ぐピアノ、パーカッション、ベース、ドラムの音は総じて心地よく、ハッピーな雰囲気のホーンや涼しげなストリングスが華を添えます。
作詞と歌は土岐麻子です。軽快なイントロで音の世界に導かれ、彼女の歌声が聞こえると、ふわりと温かみが広がります。
多彩な演奏に溶け込みながら、歌声は少しずつ表情を変えて響きます。寂しさを誘う歌詞と相俟って、表情豊かなボーカル表現に胸が締め付けられます。
quasimodeを通して知ったDonald Byrdの曲は、「Ghana」に加え、「The Loner」があります。
オリジナルの「The Loner」で心惹かれたのがCedar Waltonのピアノです。ホーンがソロをとる間、名脇役といった調子で、全体を支えるフレーズを弾きます。ソロをアルトから引き継ぐと、静かに心を熱くさせる音を連ねます。
quasimodeのアレンジはメロディの美しさを存分に引き出します。また、バンドの特色のひとつであるパーカッションの音が効いています。他の音の間で響くコンガやボンゴの音が心地よい。ホーンやピアノを引き立てつつ、時として自らも存在感を放つ音です。
quasimodeのカバー・アルバムで、Donald Byrdの「Ghana」を知りました。このカバーが好きで何度も聴いています。Byrdの逝去をきっかけにオリジナルを聴いてみると、新たな感動と驚きがあり、またカバーを聴きたくなりました。
両者を聴き比べることで、音の置き方、つなげ方、抜き方、伸ばし方などの違いを楽しめます。また、オリジナルで聴ける短いフレーズがあり、この有無で印象が変わります。
オリジナルは赤とオレンジで炎のように輝いていて、ホーンを前面に押し出した演奏。一方、quasimodeのカバーはピアノの音色を軸にしたアレンジで、青と白の光できらきら輝く穏やかな海のようです。
「ジャズで踊る」というテーマを掲げたジャズ・カルテット、quasimode。バンドが「The Man from Nagpur」を発表したのは2007年です。
この曲を初めて聴いたとき、ずしりと重みのある音に圧倒されたことを覚えています。ロックのギター・サウンドやエレクトロの四つ打ちとは異なる音の厚みを感じられるのがquasimodeのサウンドです。
ベースとドラムで作る土台は強固で安定感があり、トランペットとテナーがさらなる厚みを加えます。重くて厚いリズムは体感速度を下げることなく、さらにピアノとパーカッションの生み出す音が加わることでリズミカルになり、軽快さを増します。
quasimodeのカバー曲「Hi-Tech Jazz」は、ドラムとパーカッションの演奏から始まります。キックとハイハットとスネアとコンガが疾走し、それらが消えてピアノとベースが飛び出す展開に心が震えます。
ピアノ、パーカッション、ベース、ドラムスにホーン隊が加わるというquasimodeの基本スタイルを味わえる編成。多彩な音が重なり引き立て合います。
僕は生音を軸にしたこのスタイルに魅力を感じ、その後さまざまな面からバンドを知りました。「Hi-Tech Jazz」はquasimodeに関する記憶の出発点を思い浮かべる曲です。ジャズで踊るのは楽しい!という事実を改めて感じさせてくれます。
quasimodeが残した曲で最も好きなのが「Catch The Fact」です。この曲のフルレングスを初めて聴いたとき、ピアノの美しさに感動しました。
ピアノの音を中心にして、すべての音が楽しげに、時としてスリリングに舞います。ピアノに導かれるように、パーカッション、ベース、ドラム、ホーンが加わり、音を重ねる。すべての音が美しいと思えてきます。
2012年のベスト盤に、新録のフルレングスが収録されました。曲の形はオリジナルを踏襲していますが、ソロのフレーズが変わるなど、オリジナルとは異なる印象を受けます。リリース当時のライブで演奏され、生で聴けたことにとても感動したことを覚えています。
起きたら家族みんな出かけてて、一人で洗濯物干してました。
夜にひとりで聴いてると、飛び出してどこかに行きたくなる。