あがた森魚の新作。ジャケットの版画が印象的ですが、池田修三さんという版画家なんですね。ナイーブな内省が湛える静けさに惹き込まれます。
相変わらず伸び伸びと歌っているし、随所にラジカルさを残すごちゃごちゃしたサウンドも楽しい。夏休みの自由研究のような、想像力を削がない有り様に心打たれたり清々しさを感じたりします。
2010年あたりから毎年1枚以上リリースする鉄人っぷりで、半分くらいしか追えてないのですが、本作はかなり上位に来そうな充実作です。近年の作品だと"浦島64"かこれが良いかも。
鈴木慶一率いる「はちみつぱい」の強力なバッキングを得て熱唱するあがたさんの大正ロマンチシズムをひしひし感じるナンバー。70年代を代表する女優、緑魔子とのデュエットが聴ける異色の歌謡曲。
どこかフェアポート・コンヴェンション風のフィドルが被さり、英国トラディショナル的なアプローチを感じる「はちみつぱい」の演奏がグッと引き締まっており昭和柔侠伝(バロン吉元の漫画が元ネタか)の世界を華麗に彩る。
それにしても緑魔子さんのヴォーカルは憂いがあって良いね。自分は東陽一監督の『やさしい日本人』を観て以来のファンなので、後味の悪いATG映画やガロ系の漫画にも通じる昭和らしい怨歌という印象の強い曲である。
#Jポップを創ったアルバム19661995
あがた森魚『乙女の儚夢』(1972)
北海道で生まれたあがた森魚は東京で音楽活動を始め、『赤色エレジー』でデビューし、売上枚数50万枚のヒットを記録する。
その後、バックバンドにはちみつぱいを携えてリリースされた本作はとてもモダンで懐かしいサウンドがたくさんだ。
現在も音楽活動は続いていて、とても独創的で異色な作品が多い。
あがた森魚の93年作。CDブックとして出た作品で、谷内六郎さんの絵が実に素晴らしく、あがたさんとは精神的双子といえるぐらいに完璧なコラボ。鈴木惣一朗のエヴリシングプレイによるハンドメイドな演奏も、あがたさんのイメージを柔らかく包んで飛翔させるかけがえの無いものです。
"少年歳時記"の表題のとおり、少年少女の一年をイメージしたカレンダーアルバムで、彼の持つ透明度の高い好奇心旺盛な想像力が縦横無尽に発揮されています。夏休みの空気そのものであるこの曲は指折りの名曲だと思います。
あがた森魚でしか得られない養分が絶対にあると思うので、22世紀まで残したい音楽ですが、若い人に聴かれているのだろうか…
久々に一人でローカル線の旅をして、長野県を周遊した。寄ったレコード屋は3件全て当たりでした。旅の音楽というと、個人的にはあがた森魚の「永遠の遠国」なので、今日も聴いた。
2時間半超の大作。普通の作品とは流れる時間のスケールが完全に異なるので、有り余る時間を聴取に注ぐくらいの向き合い方がちょうどよい。
電車に揺られながら聴くと、通り過ぎるあらゆる景色が宇宙的郷愁と結び付き、音楽とリンクして聴き手を揺さぶってくる。恐ろしい効用です。
CD版では、この曲で作中の世界を丸ごと遠景化して締めくくる。聴き手の大事なところに本作をしまっておけるように、という思いを感じる。だから私もこんな時に本作を聴きます。
あがた森魚氏の名曲「百合コレクション」がサブスクに追加ーー!!🥰🥰
考えれば考えるほど迷宮に迷い込みそうな歌詞だけど、余計なことを考えずにラブリーな一曲と受け止めることにした。井上陽水方式。
最近好きな曲がぐんぐん追加されてて嬉しい。
サブスク解禁されてたのをここで知った!
この曲がめちゃくちゃ好きだったから嬉しい
本当にたまらない
早すぎたメロウアンビエント(80年作)。あがた森魚は何でもやるし、何をやってもいい意味で異形になるから、余程のことでは驚かない。それでもこれは流石に衝撃的。
実は「日本少年」(76年作)の「彩光∞無限」でもチルアウトフォーク的な取組みを成立させているが、ここではフォークをも捨て去っており、ある意味ではアイデンティティの放棄である。ボーカルがDavid Bowieっぽい節回しなので、Lowあたりがイメージにあったのかもしれない。
こういう作品が昨年再発されて今の耳に新鮮さを与えることが面白い。あがた森魚の作品全体がそうしたポテンシャルを持つので、サブスク解禁の今こそ再評価が待たれる。
「ヴァージンVS」結成以前のニューウェイヴ期のあがたさんの曲。もろにジョイ・ディヴィジョンをフィーチャーした音作り。常に実験精神を失わないあがたさんの音楽表現に於ける貪欲さは当代随一のものだと感じる。
INUの北田昌弘、アーント・サリーのPhew(コーラスで参加)など大阪ノーウエーブの面々が全面協力している点にも注目。