早すぎたメロウアンビエント(80年作)。あがた森魚は何でもやるし、何をやってもいい意味で異形になるから、余程のことでは驚かない。それでもこれは流石に衝撃的。
実は「日本少年」(76年作)の「彩光∞無限」でもチルアウトフォーク的な取組みを成立させているが、ここではフォークをも捨て去っており、ある意味ではアイデンティティの放棄である。ボーカルがDavid Bowieっぽい節回しなので、Lowあたりがイメージにあったのかもしれない。
こういう作品が昨年再発されて今の耳に新鮮さを与えることが面白い。あがた森魚の作品全体がそうしたポテンシャルを持つので、サブスク解禁の今こそ再評価が待たれる。