Eir Aoi

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Eir Aoi HELLO HELLO HELLO for FJK

軽やかに、穏やかに響くアコースティック・ギターの音。藍井エイルの新曲「HELLO HELLO HELLO」が配信されています。

驚いたのが、カントリー・ミュージックの空気を漂わせるアレンジです。緩やかなテンポのなか、涼しげで心地よい音が聴き手を包みます。

持ち味である力強いボーカルとは打って変わって、「HELLO HELLO HELLO」では穏やかで柔らかい歌を届けます。穏やかさや柔らかさのなかに、芯の強さが垣間見えます。

♪君まで届けるよ Hello Hello Hello♪や♪一番に届けるよ Hello Hello Hello♪の、特に「届けるよ」の部分に強さを感じて、特に好きです。

Eir Aoi 春〜spring〜 for FJK

1999年に発表されたHysteric Blueの「春~spring~」を、藍井エイルが2016年にカバーしました。

詞と曲を書いたのは、Hysteric Blueのドラマーだった楠瀬拓哉です。彼は、エイルのライブをサポートする「エイルバンド」の一員でもあります。

エイルによるカバーでは、柔らかい雰囲気の、親しみやすいポップ・ロックを聴くことができます。ソフトな空気のなかにも起伏があり、メロディの良さが際立つ演奏です。

メロディは耳に馴染みやすく、口ずさむとさらに心地よさが感じられます。手を伸ばせば触れられそうなくらい、距離が近くて親近感のあるメロディ。当時ヒットした理由が分かります。

Eir Aoi Discord for FJK

藍井エイルのシングル「PHOENIX PRAYER」は、先行配信された表題曲に、新曲と表題曲のインストを加えた一枚です。どれが表題曲でも違和感がないと思えます。

新曲のひとつ「Discord」の演奏は、目の前で展開するインプロヴィゼーションのようにスリリング。鋭い音の連鎖にぞくぞくします。アグレッシブな演奏スタイルのピアノ、随所に差し込まれたアコースティック・ギターの音など、心に刺さるプレイが張り巡らされています。

とりわけ強く印象に残ったのが、間奏で強烈な存在感を放つピアノです。クラブ・ジャズを思わせるダイナミックな演奏は、ノンストップで音を送り込み、聴く人をエキサイトさせます。

Eir Aoi 蝋燭メトロノーム for FJK

シングル「PHOENIX PRAYER」に収録された新曲の「蝋燭メトロノーム」を聴いて、まず印象に残った音は、軽やかに響くキーボード・サウンドです。リズミカルな音が身体を刺激します。

他の音もダンサブルに響きます。もっと踊れと言わんばかりにベースとドラムが心地よいリズムを生み出し、間奏では、ギターやピアノがパフォーマーのソロパートのような存在感を漂わせます。

一方、ボーカルはいつもの伸びやかな歌と雰囲気を異にします。少しラップに近くて、言葉を細かく音符に載せる歌い回しが新鮮でした。♪ちょっと痛いだけなんだよ愛だよ♪や♪愛し愛され特に愛したい♪など、韻を踏む箇所が強調され、耳に残る歌です。

Eir Aoi Raspberry Moon for FJK

藍井エイルといえばロック。そう言っていいと思いますが、彼女にしては珍しくファンキーな雰囲気を出した曲が「Raspberry Moon」です。

夜空に浮かぶ紅く熟れた月。ベースの太い音を軸にしたリズムに、ノリのいいホーンやピアノの音が絡みます。ギターはロックのたくましさとファンクの色気を同時に漂わせ、ひとつの曲を織り上げます。

サウンドに導かれたのか、エイルの歌声にも艶っぽさが見られます。こうした歌い方もできることに驚き、「藍井エイルはアニソン」というイメージを抱いていた頃には想像もしなかった多面性を感じました。そうした多面性は、離れていると見えづらいのですが、近づくと見えてくるものです。

Eir Aoi 螺旋世界 for FJK

「螺旋世界」は藍井エイル流の踊れるロック・ソングです。ロックの力強さとファンクの色気をまとっています。

ループするギターのフレーズは中毒性が高く、ダンス・ミュージック的で、何度聴いても熱くなります。その中毒性を、分厚いドラムとそれに絡みつくコンガの音がさらに上げます。

また、Aメロではアコギ、Bメロではピアノの音が曲を彩ります。最後の間奏では、ピアノとアコギによる叙情的な演奏が胸を打ちます。

ボーカルがまとう空気もサウンドと一体化しています。哀愁を感じさせながら、メランコリックに沈み、無機質かと思えば、艶めいた雰囲気も見せる歌声。サウンドに加え、歌に関しても新しいエイルの世界を見ました。

Eir Aoi,Fairlane IGNITE (Fairlane Remix) - Sakura Chill Beats Singles for FJK

藍井エイルの「IGNITE」がEDMでリミックスされました。ロックのイメージが定着しているエイルの代表曲であり、それをEDMに染めるのは落差が大きい選曲といえます。

オリジナルはサビに入ったところで一気に盛り上がりますが、Fairlane Remixではそれを助走にして、サビの後半で歌をミュートして、シンセの音を爆発させます。二番では、サビの歌とシンセの音が混ざり合って相乗効果を生み出し、さらに盛り上がります。

ボーカルを素材としてサウンドを強調するEDMらしい展開と、エイルの歌声のプレゼンスが同居するリミックスです。

Eir Aoi PHOENIX PRAYER for FJK

2022年の幕が上がり、藍井エイルの新しい歌声が響きます。新曲「PHOENIX PRAYER」の配信が始まりました。Cö shu Nieがソングライティングやアレンジに関わった曲です。

音の密度がダイナミックに変化し、歌声のカラーもドラマチックに移り変わります。次々と印象が刷新され、展開の早い映画を観ているかのよう。

聴き手を圧倒する音の塊のなか、メロディが多彩な表情を見せ、そこにエイルの声がはまります。特に♪Blackout blackout 眼差しに泣きたくなるの♪というフレーズが好きです。

出会うべくして出会ったメロディと言葉と歌声。力強くて、けれども切なくて、耳に記憶に残ります。

Eir Aoi シリウス for FJK

藍井エイルの「シリウス」は2013年にリリースされました。躍動するボーカルと開放的なバンド・サウンドが組み合わさった曲です。

聴きながら気持ちは高揚し、そして聴き終えた後に爽快感を残します。メロディがきらきら光る、というイメージが浮かび、それは夜空に一等星が輝いているかのようです。

インストも聴き応えがあり、ボーカル入りとは異なる印象を受けます。かつては歌に意識が集中していたからだと思いますが、僕はインストを聴いてオルガンの音に気づきました。

その後オリジナルを聴きなおすと、オルガンが聞こえます。インストのおかげで曲が新しい姿になったように思え、さらに好きになりました。

Eir Aoi 約束 for FJK

2018年2月8日、突如としてアナウンスされた藍井エイルの活動再開。同時に、そのプレリュードと位置付けられた新曲「約束」がYouTubeで公開されました。今に続く新しいストーリーが始まった瞬間です。

「約束」は静謐な音から始まり、背中を押されるようにして、歌がぽつりぽつりと言葉を紡ぎ始めます。そのメロディは優しく、歌は丁寧に言葉をつないでいきます。

曲は徐々に熱を帯びます。やがて歌は力強くなり、言葉に託された思いがあふれます。

♪一人では描けないストーリー♪という部分のメロディ・ラインがとても好きです。このフレーズの中で見せる変化に、ぎゅっと胸が締め付けられます。

Eir Aoi I will... - From THE FIRST TAKE for FJK

代表曲「IGNITE」に続き、藍井エイルがTHE FIRST TAKEで「I will...」を披露しました。起伏のある音の展開が特徴的ですが、表情豊かで叙情的な歌メロもこの曲の魅力です。

ピアノの伴奏で歌い始め、パーカッションとベースとアコギが静かに加わります。やがて音が跳ねるように明るくなり、リズミカルに響く。その後も音は緩急をつけて聴き手を導きます。

歌を聴き、特に感動したのが♪ねえ どれだけの 時間があったとしても♪の部分です。このバージョンを聴いてから改めてオリジナルを聴くと、メロディは以前よりも叙情的に感じられ、そのメロディに以前よりも強く惹かれていることを自覚しました。

Eir Aoi 金魚草 for FJK

藍井エイルの「金魚草」は、シングル「アトック」に収録されています。

ネガティブな言葉で重い印象が残るこのシングルのなかで、比較的ポジティブな表情を感じる曲です。♪あなたは決して一人じゃないんだよ♪と歌う声は切なさを含みながらも、力強く響きます。目の前にいる人に向けてエールを送り、その背中を押す歌声です。

「金魚草」のアレンジに既視感を抱きました。音の記憶をたどりたどって、到達したのはオルタナです。オルタナといってもいろいろあり、音楽的な定義がはっきりしているわけではないのですが、存在感の大きいボーカルと、歌うように咆哮するギターから僕は初期のParamoreをイメージしました。

Eir Aoi アトック for FJK

藍井エイルの曲にしては珍しく、「アトック」は暗くて重い言葉で構成されています。呟くように歌う♪自ら絶望を好んだ♪という言葉が印象に残りました。けれども「アトック」で綴られた言葉の群れは、暗く重いだけではなく、わずかな光を見せてくれます。

音はポップさを感じるギター・ロックです。明るい歌詞であれば、爽快さや疾走感に満ちた曲になったのかもしれません。言葉から受ける印象が違うと、不思議と音の感じ方も変わります。音がポップだからこそ言葉の重さが印象付けられ、あるいは反対に、言葉の暗さが音の明るさを強調します。

Eir Aoi I will... for FJK

藍井エイルが2020年にリリースした唯一のシングルが「I will...」です。

冒頭はピアノに乗せて切々と、優しく歌います。やがてリズムやストリングスが加わると力強くなり、サビに入ると気持ちがあふれるように盛り上がり、サビの後半には温度がすっと下がるように穏やかになります。歌メロは美しく、特に♪足りなくて 足りるはずないけれど♪の部分が好きです。

ダイナミックに起伏するサウンドも「I will...」の魅力です。多くの音がきれいに束ねられ、アコギ、ピアノ、ストリングスのクリアな音のレイヤーが心地よい。2番のAメロの前半に重ねられたギターや、Bメロの前半で響くフルートらしき音も素晴らしい。

Eir Aoi Contradiction for FJK

ヘビーな音が重なり絡み合うロック・アンサンブル。藍井エイルの「Contradiction」は、シングル「鼓動」に収録された曲です。

ベースとドラムは重くて厚く、そして腹に響く音を生み出す。交差するギターとピアノからは、時として両者が戦っているかのようなスリルを感じる。個々のパートが際立ちながらも、ひとつのサウンドを形作っていて、歌が絵筆を走らせるカンヴァスとなります。

交錯する音のなかで、歌は感傷的でメランコリックな空気を生み出しています。光に背を向け、黒く伸びる影に引きずられるように歩く。そんなイメージが浮かびます。またひとつ、エイルの歌声の新たな表情を見ました。

Eir Aoi アクセンティア for FJK

ギターの音を軸にしたサウンドに爽やかな雰囲気のボーカルが乗った、明るいロック・ソング。藍井エイルの「アクセンティア」は、2016年にリリースされてから、ライブで定番曲のポジションを確保し、会場を沸かせます。

歌を支えるサウンドは、最初の一音から軽快で楽しい雰囲気を作り出しています。その心地よさがさらに増すのはサビです。メロディアスに流れるギター、その裏で鳴るピアノ。音は気持ちよさそうに舞いながら聴き手に届き、心に流れ込みます。

「風が吹き抜ける」というイメージが浮かびました。ギターの音が鳴り続けるサビは特に風を感じます。曲の途中でギターの音が消えると、風が止んだような感覚に陥ります。

Eir Aoi シリウス for kuu

キルラキル8周年のTwitterを見て、ふと懐かしく思い出した1曲。放送当時見ようかどうしようか迷っていたところ、「絶対に見た方がいいです」と初対面の人に念を押された。良い意味で強いおすすめには、乗っかると吉かもしれません。好みは分かれるかもしれませんが名作です。
シリウスはとにかくパワーをもらえる曲で、王道のテーマソング。サビが上がっていって、最後の「叶える」で全てが収斂されていく全ての流れが爽快です。

Eir Aoi IGNITE - From THE FIRST TAKE for FJK

無菌室を思わせる白い部屋の中でマイクとカメラが捉えた点火の瞬間。THE FIRST TAKEで藍井エイルが「IGNITE」を披露しました。ライブで欠かせない代表曲です。

いつもはバンドとともに披露しますが、今回はピアノだけで歌います。音の雰囲気が変わっても、歌声の熱や勢いは変わりません。しかしながらシンプルな音だからこそ、歌声の魅力がストレートに伝わってくると思えます。

印象に残ったのが、時折見せる歌声の「鋭さ」です。藍井エイルの歌声の本質、その一端に触れられたのかもしれません。スリリングなパフォーマンスでありながら、魅力的な歌声によって緊張感が高揚感に変わります。

Eir Aoi 鼓動 for FJK

藍井エイルの「鼓動」のロック・サウンドは力強く勢いがあり、ぐっと背中を押す追い風を思わせます。

歌声の雰囲気がいつもと違う気がしました。いつもはハイトーンが強く印象に残るのですが、「鼓動」ではハスキーで、厚みがあり、それでいて艶っぽさを持った声だと感じます。♪鳴らせ鼓動♪の部分は一層タフで力強く響き、あるいは♪もう何度♪や♪ねぇ 何度♪の部分は艶めいています。

洞窟(あるいは地下採掘場跡)らしき場所で撮影されたMVも公開されています。光が生み出す陰影の美しさに心を奪われる映像です。光と影の変化がエイルの表情を彩り、同時に歌や音の鋭さを引き立てます。