ドイツのピアニストNils Frahamはポスト・クラシカルを代表する音楽家であると同時に、変化を恐れない革新的な音楽家でもある。
本作は彼にとっての2作目のフルレングス。
リリースは2011年、このシーンにおいては比較的黎明期と呼べる時代の作品だ。
前々作『wintermusik』、前作『The Bells』の時点で親密で曖昧な音世界は確立されているが、このアルバムは更に深く自己世界にのめり込んでいる。
夜中の隣人への配慮のために自宅のピアノの弦にフェルトを貼ったことに由来する本盤は、微細なノイズまで掬い取る緊密な録音によって、極めてパーソナルで、そして美しいメロディが刻まれている。