seikatsu
音楽室のピアノでブギー
サーフィンやらない(出来ない)ナードな見た目のインディーロックバンド・Surfer Bloodの2013年発表の2ndアルバム。1stにあった若さがほとばしる瑞々しさから少し距離を置き、元々備わっていた刹那的なメロディーに更に磨きがかかってる感があります。特にこの表題曲は発売された当初めちゃくちゃ聴いてて、多分メンバーと聴いてきた音楽が自分と似てるんだろうなと勝手にシンパシーを感じてました。
今日はマチフェスに参加するため栃木県へ家族と来たのですが、子の体調がどんどん悪くなっていったため、summer eyeだけ見て40分で帰りました。誰が悪いというわけではないけど、まあこういうこともあるよねと少しずつ気持ちを切り替えて宿に戻ってビールを飲んでます。だけど柴田聡子、踊ってばかりの国、おとぎ話、Car10という個人的青春プレイバックみたなラインナップだったのでめちゃくちゃ悔しい。summer eyeは子もDVDやYouTubeで予習して楽しみにしていたのに、会場着いてからほぼ眉間にシワを寄せて辛そうにしていたので、いつか万全の体調で一緒に観たい。
いつの間にかHindsを脱退したベーシストがいつの間にか始めたソロユニット・Shanghai Baby(上海ベイベー)。Hindsと地続きな小気味良さとオンボロ感。質素で無愛想なんだけど、微かな温もりが感じられるロックンロールを詰め込んだ1枚。
いつの間にかドラムとベースが抜けて2人組になっていたスペインはマドリード発、Hindsの2024年最新作。初期のおてんばDIYガレージバンドな部分は薄れ、音圧やポップなメロディーの強度が上がった仕上がりに。だけど陽気なロックンロールやローファイ感はこれまで通り普遍な安心の1枚。
紅一点ギタリスト、Charlotte Hatheleyが在籍していた時代のAshが一番好き。インディーロック、パワーポップはもちろん、ハードロックやメタルの影響もうっすら垣間見え、やりたいことがありすぎてまとまりきれてない微笑ましさがある。あとジャケットの90年代感というかブックオフ感がすごい。
カナダのインディーポップバンドによる2003年発表の2ndアルバム。おもちゃ箱をひっくり返したようなというか、もはや泥棒が家中を引っ掻き回したような騒がしさやガチャガチャ感がギュッと詰まった1枚。この曲聴いてるとホームアローン2思い出す。
最近よく聴いてる大槻ヒロノリによる音楽ユニット・真黒毛ぼっくす。情けなさやダメさが隠すことなく滲み出てて、なんというか気を張らずに聴ける。マジで長生きしてほしい。
ジャケットに写るリッケンバッカーと歌と、あとたまに現れるサックスのみで構成された異形のロックンロールアルバム。ギターポップともネオアコとも少し違う、笑ってしまうくらいシンプルかつストレートに突き刺さる青さ。Rodney Allen、87年の青春。
大学生の頃にめちゃくちゃ流行ってたDFAレコーズ。その中でもHoly Ghost!の1stアルバムは再生すると当時一人暮らしをしていたアパートの風景や匂いを少しだけ感じられるタイムマシンのような1枚。あくまでバンドサウンドとして成り立ってて、New Orderを彷彿とさせるチープさもあり、ジャケット含めかなり好きです。
普段は音楽教師として子ども達にギターやドラムを教えているらしいSSW・Kevin Krauter、そして同郷のNina Pitchkitesを中心に結成されたWishyの最速EP。90年代のシューゲイザー、グランジ、ギターポップを各々が培ったセンスで昇華し、凝縮された美メロが涙腺を刺激。あまりこの表現は使いたくないけどエモくて最高です。
もはや地球が暑すぎると言う方にお勧めしたいのは80sミニマルシンセポップデュオ・Solid Spaceです。ジャケットから既に漂う妖しい空気。フワフワと浮遊するシンセサイザー。DIY感溢れるトラック。10代の少年2人が創り出す夏休みの自由研究感。全てまとめて宇宙の片隅に置いておきたい。
季節関係なくピーズの作品はどれも素晴らしいんですが、個人的に夏に聴きたくなるのはこれ…。9曲52分で別に疾走感や爽快感があるわけでもなく、ドラムはほぼ素人だからもたついてるし、決して明るいアルバムではないんですが、このだらっとした叙情的な空気が自分の夏にリンクしてると言うか。もはや笑えてくるくらい暗くて不器用な男の私小説を読んでる気分になります。
なんやかんやで10年選手、DIIVの記念すべき最初の一歩。水面を漂うような2本のギターの絡み。夕立が降った後のような涼しさ。疾走感とキラキラ感。霧より深いリヴァーブが全てを包み込む2010年代のUSインディーを代表する青い名盤。これが本当のドリームポップ。
Marcos Valleの1973年の夏の名盤です。涼しくなるというか色々心配になるジャケットから最高ですが、中身も最高。全編からポップな遊び心が滲み出て、心の底まで踊れる感覚が永遠に存在しててすごいです。この曲は空耳アワーに投稿されてそうなリズミカルなボーカルが頭に残ります。
みんな大好きYo La Tengoの2013年発表の13枚のアルバムです。ジャケからすでに漂う新緑の空気。どの曲もシンプルなメロディーや楽器の鳴り方が心地良い。いつも以上に無理せず自然体でやってますという感じ。地場産野菜くらい体に良さそう。
しばらくの間、夏に聴きたい音楽をつらつら書いていきます。夏、36℃炎天下、線香花火、蚊取り線香、プール帰り、ガリガリくんソーダ味、そしてハイハワの2ndアルバム。ギター、鍵盤、歌の最小限のアンサンブルなのにフォーキーでポップでメロウ。いつかは終わってしまう永遠のようでそうではない夏の日々が音で鳴っているような感覚があります。
NewJeansは今までちゃんと聴いてないのですが、NewJeansの楽曲プロデューサーである250(イオゴン)のアルバムを最近はよく聴いてます。韓国の大衆音楽を独自に再解釈し、チープなんだけど愛嬌もあるオルタナティブなダンスミュージックに作り上げられてるのがすごい。運転しながら爆音で聴くとめちゃくちゃ良いのですが、車のクラクションが鳴るところでいつもビビります。
LAのカセットレーベル・Rap Vacation(良い名前!)から出たアナログラウンジミュージック集。ザラつきつつも柔らかさを残したアウトサイダーちっくなボサノヴァというか、夕暮れ時の海岸を想起させるトロピカルなぷちサーフガレージというか。タランティーノの映画が観たくなります。
今夏に復活を遂げるベッドルームから飛び出したインディーポップラッパー、Only Realの2013年(11年前!)に出したEPです。インディーギターロックもヒップホップもどっちもやりたいからやってます的な背伸びをしない雑食性。そしてそれを自然の流れで発生させ保ち続けるバランス感覚。とにかくセンスがあるものを取捨選択する嗅覚が凄すぎる。今年の酷暑はヘロヘロラップで乗り切りましょう。
私の彼氏は空手を習ってます。Thee Headcoatsの妹分的存在なガレージパンクバンド、Thee Headcoateesの1stアルバムです。荒々しく硬派な演奏と絶妙に脱線する女性ボーカルが絡み合い、気がつけば極上のガレージパンクに。あと今更ですがこの見た目なのにバックの演奏は全てHeadcoatsによるもので、実は彼女たちはボーカルグループなのがめちゃくちゃ最高。
最初は何者なのかよく分からなかったけど、今年のフジロックにも出演が決定した中国出身のモデル・る鹿の2ndシングル。単純に良い曲過ぎてまず驚き、作詞作曲・真島昌利の表記に更に驚き。「雑でも複雑でも立ち上がる蜃気楼」という歌詞をサラッと披露するマーシーの文学性。全体にまとわりつく土曜の午後の雨上がり感。アスファルトの匂い。何度聴いてもやはり良い曲。
こんにちは!私たちはザ・レモンズです!という自己紹介の挨拶を元気いっぱいしてくれるシカゴからお越しのThe Lemonsの皆さんの1stアルバムです。28曲という名刺代わりには充分すぎる曲数を34分で転がっていくローファイバブルガムポップの傑作。burger recordsがああいう形で閉鎖されてしまったので暫くリイシューされなさそうなのが残念。
先日行ったザ・クロマニヨンズのライブ(最高でした)の開演前に流れていた1曲。エキゾ感満載で突っ走るタイのガレージインストサイケ。今回の場内BGMは直球のロックンロールやソウル、ブルースじゃなくて、モンドミュージックに掲載されてそうな変わった音楽が多く流れていた感じです。他にもチープなモーグシンセものとか流れてました。ヒロトとマーシーはここら辺もしっかり掘ってんだな〜と嬉しくなりました。
新譜発売記念。大学生の頃に死ぬほど聴いていた我が青春のバンド・おとぎ話の2010年発表の4枚目のアルバムです。再現不能な初期衝動が溢れ出てる1st、2ndは別格。個人的に3rdはあまりパッとしなかったんですが、ローズレコーズから出たこのアルバムは、キラキラしてざらついた紙やすりのような演奏が本当に最高です。USインディーを通過したチューリップ感があります。アナログ化希望!
ニューウェーブ前夜に活躍したUKパンクバンド・Neon Heartsのぶっち切りの1stアルバムかつ唯一作。振り落とされそうになる疾走感や終始すっとぼけてるボーカルに漂うB級臭。サックスもフリーキーなノーウェーブではなく、あくまでパンクロックの上で転げ回ってるところにグッときます。数年前に台湾へ旅行へ行った際に現地のレコ屋で購入しました。
最近の移動中BGMはPost Maloneの2023年発売の最新作です。ちょっとチープな80sシンセポップが一気に現代向けにアップデートされたような良質なポップアルバム。聴き心地が良すぎて何度も再生してしまいます。2018年のフジロックでMac DeMarco観てたらステージにふら〜っとPost Maloneが出てきて、自分の後ろで観てた外国人女性が「Wow!!!」と、Mac DeMarcoが出てきた時の100倍興奮していました。
eastern youthの2001年発売の8枚目のアルバムです。血管がぶち切れるように叫ぶ吉野寿のボーカルともはや音の塊のような演奏。圧巻。踵鳴るのイントロに何度心を震わされたことか。ライブもめちゃくちゃ感動したので、当時通っていた大学に置いてあった「学園祭に来て欲しい有名人」という投書箱にeastern youthと書いて入れたらクワバタオハラが来ました。
セネガル最北端の街・ポドール出身の写真家兼民俗学者兼インストゥメンタルギタリスト、Tidiane Thiamの2024年最新作です。虫の音や風に揺れる草の音まで録音された秋の夜長にぴったりな前作からビートや電子音も盛り込んでより立体的になった音像。永遠と聴いていると夜に溶けます。ジャケットだけどうにかならなかったのか感。
フジロックフェスティバル2024にも出演が決定したメルボルンの新世代トリオ・Glass Beamsです。ビーズで顔を隠したミステリアスな風貌にぎょっとしますが、サイケなガレージとオリエンタルファンクが絶妙に混ざり合ったエキゾチックな音楽はとても心地良いです。この曲は砂漠の向こうにうっすら見える蜃気楼のよう。ゆらゆらと動く音像に自然と身を委ねたくなります。フィールドオブヘブンで観たらすごく良さそう。
ドイツの永遠のティーンエイジャー・Andreas Dorauが贈る70分に及ぶ出所不明の音楽です(実際は52分ですが…)。夏休みの宿題が終わったDorau少年が場末のクラブで踊り狂ってそうなチープなジャーマンニューウェーブがぬるっと炸裂。なんでドヤ顔でスキーしてんの?という謎が謎を呼ぶジャケット含め、掴みどころの無さがキラキラ輝く1枚。