人は、生きてく上で難しい現実をどうやって受け入れていくかということに直面した時、それをありのままの形では到底受け入れ難いので、自分の心の形に合うように、その人なりに現実を物語化して記憶にしていく作業を必ずやっていると思うんです。(p.45)
河合隼雄 , 小川洋子 - 生きるとは自分の物語をつくること より
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
カナダのコンポーザー
日本の伝統音楽が題材になっているアルバムで
おもしろいアンビエントになってると思います
Tim Hecker とDaniel Lopatin (Oneohtrix Point Never)の共作です。2012年リリース。
一応、アンビエントの括りですが聴き流せない暗さがあります。カトリック教会的な残響ノイズの中にエレクトロニックの艶やかなノイズがいい感じですね。
陰鬱な雰囲気です。
また曲タイトルが面白く、人種差別ドローン、灰色の芸者、フランス動物園からの眺めなどなど。
Ben Frost がエンジニアで参加した2011年発表のアルバム。
Ben Frost の故郷アイスランドのレイキャビクの教会で録音して、さらにあれこれ編集した傑作アルバムです。
この部分だけ聴きても、なんだこりゃ?ですが。。
この後のアルバム二枚も凄く良いです。
最近のTim Hecker は、雅楽隊を入れて日本で録音したアルバムが二枚ありますが、雅楽楽器の音の記憶が強烈すぎてあまり好きになれません。
「音の記憶」が薄れるのは、何百回聴いても無理だと思います。
ティムヘッカーはkonoyoとanoyoというアルバムを立て続けに出します。日本の和楽器をフィーチャーしながらドローン/前衛的な音楽を聞かせてくれますが、とても大好きなアルバムです。
ワンオートリックスポイントネバーやティムをはじめ最近のエレクトロニカ勢には攻殻機動隊や押井守のゴーストインザシェルの影響が見受けられます。OPNは川井憲次の影響を受けたと言ってますが、ティムの音楽性にもそれを感じます。
和楽器主体の音楽は仏教思想を相当勉強したのだろうと感じました。konoyoはとても古典的な演奏展開ながらも新しさも同居していて好きなアルバムです。
ドローン/アンビエント/テクノ。夏のうだる暑さにこのアルバムを耳にぶち込むと景色が変わる感じがします。
ホワイトノイズといえばいいか、ゆっくりと展開していくメロディーに感情と心がもっていかれます。マイブラなんかの影響力もうかがえるし、シューゲイザーやポストロックなんか好きな人にオススメの一枚。ドローンやアンビエントに興味ある人はこのアルバムから入るのが最適かも知れません。