neconi_13
ねこになりたい
一人の存在に全てを委ねて世界がその色になって
傷つき合わないために寄りかかりすぎてはいけない、と
苦し紛れに遠のいて、力のかかっていた心の部分が緩んで
君がいなくても生きていけるよ、って
思うとどこかでほっとする
でも一晩もせずに突然薬が切れたように
ものすごく寂しくなって
これじゃ生きられない、と感じながら、ふと
ああわたしには君がいるんだ、と思い出す、
そのときのあの子が生きている限りいちばん愛おしい
-今夜のキスで一生分のこと変えてしまいたいよ
側にいられたらこんなに生命力を握って
しあわせだと思えるのに、離れたらまた
生きている心地を見失う。
愛想笑いして、無理して社会に突っ込んで。
よわい、よわくて尖っている、
きれいな夜空にも唾を吐きたくなる。
それでもいいよ、生まれたときから愛しているよ。
観覧車の中で当たり前のようにキスをした、
わたしたちもバカみたいなピエロだと思う。
それでも生き延びたい、と
吐息を分かち合って痛みあいたい。