ジョン・コルトレーン晩年の怪作といっていいだろう。「ジャイアント・ステップス」「至上の愛」ほど分かりやすく、かつ素晴らしくはないかもしれないが、ジョン・コルトレーンのスピリチュアルな一面が最も濃く反映されていている作品。
曲名のトラック名は「マーズ(火星)」「ヴィーナス(金星)」「ジュピター(木星)「サターン(土星)」と宇宙をモチーフにしている。これは、ジョン・コルトレーンが占星術に深く関心があったということなのかもしれない。ただ、私は時折、エクスプロージョンするコルトレーンの激しいサックスがまるで宇宙を生み出したビッグバンのような、生命のよりもっと深い根源の誕生を感じさせてくれる。