As It Isの10年間の活動をB面曲とレア音源で振り返るこのアルバムは、ファンにとって感慨深い贈り物です。
初期のエネルギッシュなポップパンクから、後期のシリアスでエモーショナルな作風への変遷を辿ることができ、バンドの成長が手に取るようにわかります。
これまで埋もれていた名曲たちが、彼らの卓越したメロディセンスと赤裸々な歌詞の世界観を改めて証明してくれます。
単なる寄せ集めではなく、As It Isというバンドの物語を深く知ることができる、まるで音楽ドキュメンタリーのような一枚です。
As It Isの「May We Go Down As Lovers (2016)」は、彼らの2ndアルバム『Okay.』の制作時に作られた未発表デモ曲です。2019年にファンクラブ限定で公開された後、2024年にレア音源集『A Decade Uneventful: B-Sides & Rarities』に収録され、正式にリリースされました。
歌詞は、大西洋を隔てた「3000マイル」の遠距離恋愛がテーマです。「君だけがいればいい」という真っ直ぐなサビとともに、離れ離れの寂しさや、恋人との再会と触れ合いを強く待ち望む切実な思いが綴られた、情熱的でエモーショナルなラブソングとなっています。
As It Isの「Every Year Gets Better」(2013年)は、未来への不安と、それを共に乗り越える希望をテーマにした楽曲です。
歌詞の中で主人公は、未来を恐れてもがいている「あなた」に対し、「自分にはその心の檻を開ける鍵がある」と寄り添い、暗闇に光を差し込ませようとします。同時に、主人公自身も長年抱えていた停滞感や疲労感(tired and jaded)と決別し、前へ進む決意を固める姿が描かれています。
ブリッジ部分の「毎年状況は良くなっているのに、なぜ怖いのだろう?」という葛藤は、成長に伴う漠然とした恐怖をリアルに描写しています。