AFTER HOURS
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Siamese Cats AFTER HOURS for sssg25

忘れる が人生のテーマなのかもしれない

Siamese Cats AFTER HOURS for uchino

基本退社時間の遅い職種なのだが、こういう休み期間に職場に顔を出した後夕方から日が落ちるくらいの帰り道でこの曲を聴くと本当に自分の気持ちを絶妙にキャプチャされてるような気がして嬉しい。二番ヴァース部分の「ポケットに手を入れて/ステップを踏み街を行けば/ドブ川が瞬いて/意味もなく誰かに会いたくなる」というフレーズの譜割りのなんと絶妙なことか。言葉がスッと入ってくるし、ラップとまでは言わないまでもそこそこ早口なのでリズムをとりながら口ずさんでみるだけでも気持ちがいい。この曲聴いて昨日は意味もなく自由が丘を散歩した。

Siamese Cats AFTER HOURS for seikatsu

2010年代の邦楽で1番好きなアルバム。前作までのUSインディーにサイケポップをまぶしたような俗に言う「ヘンテコ」な路線(それも好きですが)で行くと思いきや、ModelsのMVが公開され、そしてこのアルバムを最初に聴いた時の「何か新しいことが始まってる」感は本当にすごかったです。間違いなくシャムキャッツの黄金期。この頃、大学の後輩の子と仙台から車で郡山までライブを観に行き、終演後に近くの温泉に入りながら「AFTER HOURSの『仕事のことを思い出しても忘れたりするアフターアワーズ』って歌詞が良いよね」みたいなことを話した記憶があります。一生聴くアルバムです。

Siamese Cats AFTER HOURS for aoba_joe

本作は昨日(3/19)で10周年。後追いで知りませんでしたが、夏に出てたのかと思ってた。春分の日なのに雪が降っています。
主人公は本人だったり誰かだったりで、生活の色んなシーンが散りばめられている作品。感情の機微はあってもその描写はとても穏やかです。部屋に入る日差しの暖かさやコンビニからの帰り道の湿気みたいな生活の気配がパッケージされていて、それに対する愛着があるのが、この作品自体への愛着でもあるように感じます。
この曲のサビの単調なギターはまるで電波塔か何かで明滅する光、あるいは通り過ぎていく車に思えて、よく分からんけど沁み入ります。