「そうなんだよ、すべてが。」
夜半、子供らのYシャツにアイロンをかけながら、プレイリストから流れてくると手が止まる。
『どのへんで気づくかなぁ、あいつら、身に沁みるのはいくつぐらいかなぁ』と想う。まぁ、僕の人生の一部ではあるけど彼らの人生だから「好きにすればいい」。
10代も20代もはるか昔のことで、僕にとっては最後の一行だけが切実。
かっこいいと思う曲はたくさんある。
歌詞を解読したり、技巧的な曲構造に感動したり、主題歌になったアニメや関連小説から思い入れが増すこともあるし、ライブで聴いたり、思い出に付随して自分のものになることだってある。
でも、日々の忙しさに流されて、音楽に向き合う時間を自分から作らないと、一瞬一瞬の音楽はただの音の連続でしかなくなってしまう。
そんな時、思わず聴き入ってしまう曲があるとすれば…
それは聴き流していてもスッと胸に響くような、ストレートなものかもしれない。
あっという間の10年だった。
次の10年、一瞬一瞬のやりたいことをもっと大切にしていきたい。
20代最後の夜に、強くそう思う。