Ana Frango Elétricoの3rdアルバム。60年代から70年代のソフトロックからの影響を感じながらも、やはりブラジルのMPBのもつ独特なオーラに包まれている。Adriana Calcanhottoに近い印象を抱く。
全体的なPOPセンスはTribalistasかMarcelo D2にも通ずるところを感じる。ポップでありながらもジャジーなのはブラジル音楽の奥底にBOSSANOVA、JAZZがどうしようもなく根付いているからだろう。だから、海外の音楽を取り込んでもブラジルの音楽にしてしまう。この土壌の強さこそが文化の強さなのだと思う。どうしようもなくMPBになってしまう。
Ana Frango Eletricoの新作。前作は個人的にしっくりこなかったが、本作はかなり好みです。
ファンキーなリズムが目立つ作品で、あどけなくもそこはかとなく色気が薫る歌声が乗ると、それだけで新鮮な音楽として聴こえてくる。チープな打ち込みが似合う曲もあって、装飾過多に感じさせないバランス感覚がいいのかもしれない。
鮮烈な虎ジャケもいいですね。このジャケだと猫科な感じがあって、しなやかな強さみたいなものを表現したかったのでしょうか。
暑くなってきたので、ブラジルインディを。風呂上がりのビールと一緒に聴きたいですね。
ポップなものしか分からないから、「なんとなくかっこいいんじゃないか」「難解だけどこれが分からないとダサいんじゃないか」みたいな気持ちで色々探った時もある。逆張り的な何か。
特に評価の定まった、所謂名盤とされるものは「これが分からないとダメなんじゃないか」のような気持ちで挑む事も多かった。
現代の音楽、たまーーーに本当に響くものもあるけど、大体一過性の脳汁が出てそれで終わってしまう。
決して悪くはないけど響きもしない。
ただそれは今の曲が良くないんじゃなくて、自分の感覚が置いていかれてるだけなんだろうな。っていう自覚もある。
そんな感覚の自分にも強烈に響いた曲の一つ。