ここのデータがぜんぶ消えていて、想像以上にショックで開かないようにしていたけど、久しぶりに開いたら復旧してた。安心してしまったのでガスターデルソルの新譜を聴きながらにっこりしています。よかった。。
The Seasons Reverse (2024)
ジム・オルーク+デヴィッド・グラッブスによる最強コンビ【ガスター・デル・ソル】による心染みるアヴァンギャルド・フォークの名曲。控えめな電子音と意表を突くノイズ、透明感溢れるピアノの旋律が夢幻の世界へと誘ってくれる。
とても90年代前半の音楽とは思えない、普遍性を感じさせる凄みがある。全く古びていない。
これより後に出てきたレディオヘッドやモグワイのサウンドの方が古臭く感じさせる辺りがさすが前衛だと認識させれらる。まあ、どっちも好きですけどね。
Gastr del solの1998年作です
Jimの脱退がアナウンスされた後の1998年にリリースされたラストアルバム。
Gastrって全く異なる所から出発し、全く異なる地点を目指すことになる二人が奇跡的に交錯した一点で発した強烈な光みたいなイメージがあるのですが、終わりの近いここではその光も幾分柔らかさを帯びているような印象です。
彼らのアルバム史上最もポップな表現になっており唄モノとして聴くことも可能な程ですが、その奥にある相変わらずの実験精神と細部までこだわった音作りは圧倒的。エピゴーネンすら現れない独走っぷりでした。
今回は馴染みのシカゴ人脈に加えてOvalことMarkus Poppも参加。一聴して彼だとわかる個性は流石です。
1996年リリースの4th。恐ろしい程の完成度で、このアルバムをベストに挙げる人が多いのも頷けます。
ゲストプレーヤーもTony Conrad、Kevin Drumm、Mats Gustafsson、John McEntire、Günter Müller、Ralf Wehowsky等と非常に豪華。ここからそれぞれの単独作や他の参加作品を聴くことで自分の耳を更に外側に拡げることが出来たように思います。
尚、美しいアートワークはスイス人アーティストのRoman Signerによる『Wasser Stiefel』という作品とのこと。セレクトは現代美術通のDavid Grubbsによるものか。
若い頃に自分の音楽観が完全に別物になっちゃうくらいに影響を受けたのがGastr Del Sol。
最初に聴いたのがTeenbeatからの7"『20 Sogs Less』で、次がDrag Cityからのこれ。どっちもレコードに付けられた“ex-Bastro”というPOPの文言に惹かれての購入だったからその音のあまりの変わりっぷりに最初はひどく戸惑ったのは確かだけど、とにかく新しい何かが目の前で動き出してることははっきりと感じられてすごく興奮した思い出。
この曲のミニマルなピアノにノイズが切り込んでくる辺りとかも何度聴いてもゾクゾクする。25年以上前の作品とは思えない。