以前投稿したBeverly Glenn-Copelandの伝説的名盤"Keyboard Fantasies"を現代のアーティストがReworkした作品(21年作)。元々凄い作品が豪華過ぎるメンツにより完全に現代化されています。
この代表曲"Ever New"は3パターン収録されていて、三者三様の全く異なるver.を楽しめます。その中でもBon IverによるこのReworkが衝撃的。Beverlyのボーカルをカットし、変調させた声や電子音をぶちこんで、飛躍的に色彩豊かな音にしています。
それでもなお、全編では"Keyboard Fantasies"として聴こえるので、原作の強度を実感しました。
Beverly Glenn-Copelandのなんと20年振りの新作。私もニューエイジの名盤である"Keyboard Fantasy"から聴いた身なので、かなり違う音楽性に驚いた。
本人の包容力のある歌声とゴスペルコーラス、曲によってはアフリカンパーカッション、このあたりが主軸の極めて誠実なSSW的作品。Anohniのように現代の危機に生身で対峙するような、愛と痛みと祈りに満ちた曲たちに背筋が伸びる心地だ。同時代的でもありながら普遍性も感じる器の大きさに身を委ねたい。
地球市民的な感じはニューエイジ作品に通じるところもある。
Beverly Glenn-Copelandの本作(86年)は、ニューエイジの伝説的名盤と言われるが、その二つ名は聴き手を限定しているようで少し寂しい。
ノスタルジーを喚起させる温かい音がひたすらに幸福で、随所に本人のボーカルが加わると包容力は一層増してくる。何となくSSW的な作品だと感じていたが、21年作の再構築盤(これも素晴らしい)ではBon IverやJulia Holterが参加しているのを見るにつけ、心象スケッチとしての素晴らしさが後世のアーティストにも影響を与えているのかも。
そして、今年新作が出るとのこと。先行曲はかなりアフロビートっぽい感じで、本作と全く別物だったので楽しみだ。
カナダのSSW、Beverly Glenn-Copelandが1986年にカセットテープでリリースしたアルバムより。
2017年にリイシューされた本作。
朗らかで牧歌的なメロディに伸びやかなヴォーカル、ポップでスロウなリズムが優しさをより際立たせる、隠れたニューエイジの傑作。