soul
切なくエモいsyrup16gの面目躍如な一曲。不幸もハピネスと言い切る五十嵐にこの時期の音楽活動の並々ならぬ意気込みを感じさせる。輪廻転生も含んだ詩世界が、振り切れ具合を覚える、救われる人は救われる曲である。
非常に難解な歌詞だが、これが解明出来た時、リスナーの世界把握は変わる。回送(=回想?)とにかく深読みの宝庫だが、汲み取れる人は汲み取れると思われる。生まれ変わりと生き直しの曲だと、個人的には解釈している。
私とあなたの関係を月になる事で例える確かな名曲。あなたはあなたのそのままに、しかし決して分かりあう事はないディスコミュニケーションも込めて歌い上げてしまう。2コードでしか構成されていないが、曲として確かに成立している所に、五十嵐の才能の光る所を感じさせる。
syrup16gは追い詰められた底辺者から繰り出される信じられない世界把握、と言うものが主要テーマである、と思われるが、この曲もそう。まさか神様にカルマがあるとは思わなかった。五十嵐にしか描きえない、世界線の曲である。
「君」と「僕」の関係をこんなにも美しく、儚く歌い上げた曲を、私は他に知らない。「君」の事を「世界」と言い放ってしまった切ない曲。ライブバージョンも聴いてみて欲しい。