畠山地平のオリジナルアルバムとしての最新作(21年作)。ここで鳴っているギターははっきり言って劇薬。とんでもなく甘美なドローンサウンドが脳を浸食し、身体全体がただ甘美さを受容する器官になってしまう。時が流れているかすら分からなくなるような時を堪能できる贅沢さがある。ただし、往々にして堪能しきる前に瞼が上がらなくなってしまうが…
"Late Spring"というアルバム名は、小津安二郎の映画から採ったそうだが、晩春という季節感は現代にはない感覚かもしれない。ほんの少しノスタルジーを含有する音のような気がしてきた。