新宿三丁目の焼き鳥屋にて。
お互いに素性をよく知らない男オタク2人と、でんぱ組.incになにかあるたび集まって、話している。
ひとりのオタが「これ思い出すたびおれ泣いちゃう…」つぶやいたあと、語り始める。「キラキラチューンを初めて聴いたとき、これこそまさに求めていた曲‼︎と感極まって、衝動のまま当時住んでた高円寺から秋葉原までチャリ飛ばして、ディアステージ5周したんです。深夜2時くらいに。ほんとに良い曲でさ…」
しずかな熱がこもっている彼の表情と、予告どおり頬をすべり落ちてゆく涙を眺めながら、ぼくは、人類がこの世に誕生してよかったな、とかんがえていた。