LPが届きました。クリアブルー45回転2枚組。LPサイズでジャケットを間近に見ると、目がなかなか像を結んでくれません。そして、作品自体にも全体像を結ばせない謎を未だに感じます。
オープニングのこの曲は、廃墟に吹く風のようなコーラスと「暗く赤いインスタントコーヒー」という初めの一節だけで、コロナ明けのディストピアな世界に放り込まれてしまう作品。流れるスピード感が髙城さんのファルセットの美しさを一層引き立てているのが秀逸だが不気味でもある。
アルバムとして作品世界を完成させつつも、要所で現代の空気感とリンクさせる感覚が素晴らしい。バンド名に"contemporary"を掲げ続けるのは伊達じゃない。