祈りは無意味かもしれない。
祈れば、手が塞がってしまうから。
でも、そこに人間らしさがある。
それを忘れた時に、人は獣に成り変わる。
もはやこの世界で、人ひとりができることは、たかが知れてしまう。
その逃れないカルマに、この音楽は、孤独と焦燥の讃美歌として機能する。
もしも、女神なんてものに逢えたら、褒められたい。そんなシンプルな欲望を肯定するような、あの世とこの世の中間、辺獄へ行くことができる。
闘争や衝突だけが、人を人たらしめるわけではない。
何かを憂いたり、何かを信じて祈ることで回る、たくさんの大きな命の歯車が、ゆっくりと動くさまを見られる。
なんかわからんけど聴いてて泣いちゃった
burialの新作です。音を聞くというよりも空間を感じるための音楽といえば良いかな。レコードを買って頻繁に聞いています。
チルノイズというのは音が良いか悪いかというより、ノイズそのものが味になるのでレコードの方がより空間を感じます。意味を求める音楽ではなく、何も考えずに浸る音楽といえばいいかな。
映画の様々なワンシーンをつなぎ合わせて作ったようなイメージが湧きます。沈美という言葉がピッタリですが、一つ一つ鎧が剥がされていく感覚があります。