京都の打楽器奏者の新作。「音と音楽の境界」で彷徨っているかのような曲が並び、意識的に聴いても無意識に聴き流しても面白い作品。
先日、某芸術大学の卒展で見た、指で凹凸を触って読む本(点字ではない)を思い出した。そういう皮膚感覚の想像力を味わう作品に思える。そして、身体の表面だけではなく、実に意識の深層まで作用していきそうな余韻がある。
ここで鳴る音は、石庭のように丹念に配置されているようにもランダムに連続しているようにも聴こえ、耳を傾けるほど意識が覚醒していく感覚に陥る。他の曲で聴けるフィールドレコーディングとの相性も良い。