Blood Orange の4枚目のスタジオアルバム「Negro Swan」。日本語に翻訳するならば「黒い白鳥」。ニグロという表現から人種差別に対する意識が強いのだろうことは窺える。もとよりソウルミュージックをはじめとするブラックミュージックの根っこにあるであろう差別問題。多様性やLBGT、ジェンダー問題などが取り沙汰されつつある中でも、まだまだ世界中に差別問題は残っている。そうした、ルーツにある思想を2018年に掘り起こしたのは革新的なのかもしれない。
サウンド的には多くの音楽スタイルを組み合わせている、間違いなくソウルミュージックの傑作である。
『Negro Swan』はベトつかずスムースでクールで、でもしっとり感もあり最高なわけだが、とりわけこの曲いい。あいかわらず絶妙に気持ち悪い音の重なり方を、自然にやってくる感じ、ここにセンスを感じざるを得ない…
過去曲だと、コーラスの感じが絶妙に気持ち悪くもある。
テーマは、Dev曰く「希望」で、アルバムのタイトルにも表れているが、黒人性を随所に表現しており、またCharcoal Babyに関しては、ギターパートがベースになったサウンドで、デヴも「フェンダー社が自分にギターをプレゼントしてくれたことがきっかけで、ギターのサウンドを結構使うようになったんだ」と語っている。