小西康陽の新作。ソロ名義の本人歌唱の作品なのは驚きですが、Pizzcatoの中でもSSW的な曲が好きなので、実は楽しみでした。
年齢相応の枯れを感じる以上に、自分の曲を歌えたという喜びがあり、溌剌さすら感じます。伴奏は曲ごとの楽器のチョイスやアレンジへの拘りが良いです。奇を衒うことなく、そこそこに意表を突いてきます。
小西さんの曲は恋の終わりを歌うものが多いですが、本人の歌だと、淡々と終わった事実にしか触れないという点がより明確な気がします。そこには、人生に無数にある別れのうちの1つでしかなく、事実だけが残り、いつかは事実さえも忘れていく、そういう形での救いを含んでいるようにも思えます。