ハリケーン
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Carnation ハリケーン for aoba_joe

90年代初頭の邦楽は何かと過剰な(濃すぎる)名盤が多いが、その極みがカーネーションの「天国と地獄」(92年)でしょう。
何しろ普通の曲が全くなく、終始天国か地獄のテンションで突き進む。バンドでありながら存分にサンプリングを活用し、メンバーのアレンジ能力も高い、つまりは何でもできる状態で徹底的に曲をいじり倒す。その情報の多重度と強靭なグルーヴ、色気を獲得しつつも自家中毒になりがちな歌詞とボーカル。これらがすべて掛け算されて強烈な磁場を形成している。
本当に替えが効かない異形のロック。四方八方に破れかぶれて突き抜けてしまった姿に感動してしまったので、私にとっては10指に入る邦楽作品の1つ。