思春期に私の感受性の屋台骨をつくった椎名林檎もカバーした名曲。
ここ2年ほど、明治時代以降の日本の流行歌と芸能史について本を読んで勉強している。その過程でザ・ピーナッツが聴きたくなってベスト盤を聴いているが、第一印象は「中学生の時に初めて椎名林檎に出会った感動の再来」だった。というか、椎名林檎が音楽づくりのベースを昭和の歌謡曲にしているのだろう。
初期の曲を含め椎名林檎の音楽が未だ色褪せない理由のひとつに、ベースとなっている昭和歌謡の侮り難い魅力があるのではないか。昭和歌謡にはノスタルジーとともに、現代の流行歌にはなかなか醸し出せない生々しい哀愁と危ない色気が宿っている。