高橋徹也の3枚目(98年作)。穏やかな日常故に生じるめまいのような感覚が不穏さと共に現れているジャケットが邦楽有数の素晴らしさ。レコード化希望です。
ラストの"犬と老人"は恐らく彼の存在自体がテーマ。犬と老人に"完璧な生命"を見て、それを見た自分は何者なのだと問うことになったのだと思われます。そうした経験と無意識まで潜り込んだ本心や思索が濁り無く濃縮され、ミニマルで異様に緊張感のあるサウンドと共に提示されている神憑り的な曲です。いまだに訳も分からず感動します。
この曲とFishmansの"Daydream"は同じ夕暮れが舞台だったのではないか、という妄想が頭の中に棲み着いています。