僕にはどうすることもできない、受け止めることだけが精一杯というような深刻な話があって、互いに黙りこくって壁を見つめていた。自分がパッと思いつくような話はきっと先輩の中で何百回も逡巡しているだろうし、気の利いた一言が口を突いて出てくるほど利口でもないし、どうにも仕方がないので壁に空いている穴を数えたりしていた。すると、スピーカーから聞き覚えのあるハイテンションな音楽が流れた。
そわそわしてるだけ♪
何も起こらなーい♪
このシチュエーションと、先輩が置かれている状況とリリックが完全に一致していて、二人して吹き出した。
tofubeatsよ、ありがとう、ありがとう。
(しかし問題は解決してない)