小室さんのエッセイによれば、「マドモアゼル・モーツァルト」用の15曲は一週間で書いたとのことです。このミュージカルに関わるうえで必要な制約だと考えたそうな。
自らハードルを高くしがちなのはよく知られています。音楽番組のリハでスタッフに絶賛されると、「本番では違う最高を目指そう」と考える人だからです。
さらに、モーツァルトのメロディと自分のメロディが混ざり合ったとも記しました。その様子は、アルバム『Mademoiselle Mozart』にも見られます。
あやふやな境界線の上で流れるのは、どちらでもあり、どちらでもない、「マドモアゼル・モーツァルト」という世界にだけ存在する音楽です。