1870年代にエジソンが録音技術を発明。20世紀初頭には音の強弱をロール紙に記録するピアノロールが使用され、このアルバムではドビュッシー自身の録音を聴くことができる。まだまだノイズがあること、MaryGardenの歌声が大きいこと、などあって、ドビュッシーのピアノは聞こえづらいものの、流れるような細かい音を聴くと、ピアノの腕前は相当だったように思える。もともとピアニストになることを目指していたようだ。ピアノを前にして前傾になるというよりは、背筋をぴんと伸ばしていそう、と僕は思う。音に自分をのせる、というよりは、できるだけ純粋な音を出す、というような。それにしても、本人が弾いた録音とは、贅沢だ。