何かと不協和音が多くおどろおどろしい現代音楽だが、武満徹によるピアノ作品『雨の樹・素描』は不穏な中にも繊細さと透明感が兼ね備わっている点が良い。決して不快にならない。むしろ、美的センスを感じさせる。
舘野泉による演奏もパーフェクトで、相性バツグンである。武満徹と言えば、黒澤明監督の『乱』でスコアを担当した際黒澤と意見が食い違い揉めて仲が決裂したことで知られている。
ちなみにこのピアノ曲のタイトルは武満と仲が良かった作家、大江健三郎の小説『雨の樹(レインツリー)を聴く女たち』の第1章「頭のいい雨の樹」から頂いたもの。
個人的にこの人では『波の盆』のエレガンスでリッチな演奏も忘れ難いですね。
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ベスト オブ クラっシック nhk fm でかかってました。武満徹というと、現代曲という印象ですが、叙情に満ちた曲も書いているのですね✨
Toru Takemitsu,Seiji Ozawa,Toronto Symphony Orchestra The Dorian Horizon for 17 Strings for atakigawa
武満徹の合唱曲以外の曲でなぜか一番好きな曲。
楽譜も昔買ってみたが、見てもこういう音になるとは全くイメージできなかった笑。