Tomasz Bednarczyk
人間もまた外的条件に恵まれない時は、なるべく抵抗を少なくして、エネルギーの消耗をふせぎ、なんとかその時期をやりすごすほうが全体から見て得策のことがある。
鳴りをひそめ、小さくなって時期の到来を伺うその姿は、一見消極的にみえても内に強靭な自由への意志を秘めている。
環境への無言の抵抗と自己に対する押えの力と。
これによってやがて自由を獲得しようというのである。p54
神谷美恵子 - 生きがいについて より
最近紹介したポーランド人アンビエント作家による、またもや猫ジャケの新作"Catbient"。
彼のアーティスト画像にはカタカナで「アンビエントミュージック」と書かれており、spotifyのアカウント名も日本語である。何を言いたいかというと、このタイトルは恐らく「ニャンビエント」であるということである。実家の猫も本作を聴きながらすやすやと眠ることだろう。
ポーランド人によるアンビエント。抽象的な猫ジャケと"Cat Planet In a Loop"なるタイトル。柔らかな音に猫っ気がある…といえばあるのかもしれない。シームレスに続く"Planet A"から"Planet H"までの全8曲。こんな惑星しかない恒星系に移住したい。たぶんサブリミナルに猫になれそうな音楽。
「Nothing Much Happens」より。
_
ポーランドのTomasz Bednarczykの2022年作。リリースは12kから。
フィールドレコーディングを基にして作られたミニマル/アンビエント。アルバムタイトル『Windy Weather Always Makes Me Think Of You』も、ジャケットのデザインも共にいい感じ。