フォークが聴きたくなる季節になりました
アメリカで今最も才能があると言われている。シンガーソングライター、Father John Misty。
聞いてみた感想としては、ルー・リード、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響を色濃く感じた。
2023年の現在のSSWとしては懐古主義な気もするが、きれいなメロディーとサウンドなので、評価されるの納得。
「古いもの=悪いもの」ではないということを思いつつも、良いものだけを残しつつ、悪いものだけを淘汰するっていうのがいかに難しいのか。
大切なのは「仕分け」。その「仕分け」がとても上手なミュージシャン。
なお、昭和の思想は全て淘汰するべき。残す価値はないどころか、マイナスでしかない。
この人らしい虚実綯い交ぜなリリックに、Drew Ericksonによる厚みのあるオーケストレーションが覆いかぶさる現代版バーバンク・サウンドとも言うべき秀作。
これでとうとう5枚目のアルバムである。現代最高のSSWジョシュ・ティルマン氏らしいシニカルで毒のある世界観が混沌とした世の中を大きく射抜く渾身のナンバーに仕上がっている。優しく包み込むような弦の響きが相変わらず素晴らしい出来栄え。
前作、前々作にも増してオールドタイミーな趣向が凝らしてありその手の懐古趣味に浸りたいリスナーには打ってつけの「懐メロ集」と言えるかも知れない。かなりヘンテコだが、サウンドの独創性は相当なもの。