パンクをベースにヒップホップと民族音楽を混ぜた感じ。聴き終わった瞬間、自分の中の今年1はこのアルバムで決まりだと思った。数十年後、このアルバム聴いたら鮮明に2020〜23年の雰囲気を思い出せるんだろうなと思う。この曲は最初の1フレーズで心掴まれた。とりあえずライブ行きたい。
2023/02/06
GEZAN&Million Wish Collective『あのち』
前作があまりにも名盤で、2020年代を代表するアルバムだという印象だったけど、それを声や集団の力で説き伏せるかのようなパワフルなアルバムだった。
民族楽器やボイスアンサンブルで異国的な楽曲に見えて、根底にはHIPHOPやロックの系譜を辿っているからどことなくポップな感覚も感じ取れるから本当にすごい。
GEZANの新作は、聴き手を揺さぶり感覚を取り戻させるような作用があった。15人のコーラス隊による声の洪水が、マヒトゥから発せられる感情を増幅させたり、濁りを加えたりする。混沌とした印象を与えることも多いが、それがリアリティを有しているともいえる。
序盤の圧倒的な怒りのエネルギーが、後半では存在の肯定に転換する劇的さが感動的に美しい。そうしたクライマックスにしっかり名曲を配置できるクオリティ。通して聴いて腑に落ちる。