MAX ROMEOの話をもう一つ。
夢精の曲で売れた彼の悩みは、実際には敬虔なラスタファリアンだったのに、「夢精おじさん」として有名になってしまったことだった。極貧生活を送ってきたというMAXにとってイロモノアーティストとして扱われることはあまりにも不服であったが、その後の誠実なソングライティングにより彼の株はみるみる上昇。今ではしっかり偉大なレゲエアーティストの一人となっている。
そんな当時書いた『Chase The Devil』はあらぬ方向からの評価を受けることとなる。20年の時を経て、世界的テクノロックバンド・The Prodigyによって大胆にサンプリングされたのだった。ハードなシンセとカオスなドラムが鳴り止むと、ブレイクとして流れてくるヤーマンな歌声。これがかの夢精おじさんだった。
この曲がThe Prodigyの初期のヒット作となり、再び世界にMAXの声が響くこととなる。