90年代の音楽シーンの方向性を導いたかのようなエグニマ。サウンドはグレゴリオ聖歌をヒップホップのグラウンド・ビートに乗せ、この10年間の音楽の底流となったヒーリング・サウンドの明確な萌芽だった。
00年。ヒーリング、アンビエント、ニュー・エイジ、ハウス、プログレッシブ、さらにはクラシックへと拡がるこのミハエルによる新たな試みが、今4枚目のアルバムで、エニグマにとっての新世紀への脱皮は、その謎を確信にまで高めるような形でもたらされた。
放浪感のあったこれまでの3枚の作品から、大きくプログレ色を強めた形が選ばれてる。
無意識にそのサウンドが胸の奥にしみこんでいく点は従来までといささかの違いもない。