金曜日の深夜、馬車道駅のピアノの前を通りがかると、ソフトペダルを入れて、小さな音で練習するように弾く男性のサラリーマンがいた。
自信無さそうに弾く彼の手の動きを見ると、見るからに経験者の動きで、
和音が美しいだけでなく、とても難しいアルペジオをすらすら弾いていて、思わず聴き惚れて曲の終わりまで聴いてしまった。
彼が弾いていたのがピアソラの代表作、アディオス・ノニーノ。アルゼンチン出身のピアソラが自身の父の死去を忍んで作った曲。本家はアコーディオンみたいなんだけど、ピアノ用にも編曲されており、ピアノの発表会でもたまに使われる。最近だとキムヨナがフリーの課題曲に使っていたみたい。