ズーカラデルの『アニー』という曲を初めて聴いた時、こりゃまた王道なバンドが出てきたもんだな、と思った。希望にあふれた明るい詞と、わかりやすい構成。良いな、とは思いつつ、しばらくハマりきれなかったのを覚えている。それから一年かそこらが経った後に聴いた『漂流劇団』でも、受けるイメージは最初の印象から変わっていない。〈あなたを笑わせたいのだ 歯の浮くような台詞を並べて 幻みたいな世界を彷徨って 疲れたあんたと話がしたい〉
明るい詞、ポップなバンドサウンド。これ以上ないくらいに真っ直ぐに、力強い。暗闇で灯りを光らせながら歌う劇団のような。彼らの通った道は、ほんのりと明るい。何度も聴くバンドになった。
「嫌いなあんたがいつか幸せになれますように」
って口に出せるの凄くない?
浮気されて別れた恋人とかさ、その瞬間はめっちゃ嫌いやん。
でもどんだけサイテーで嫌いやと思った奴でも、やっぱ1度愛した人にはいつか幸せになって欲しいって、心の中で思ってるんよね。